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中野家! 梓「ありがとうございました」 斉藤「いえ、では失礼します」 ガチャ 梓「・・・恥ずかしかった」布団ボフッ 梓『また明日な、ムギ』 梓「・・・」 梓「うわあああああああん」ジタバタ 梓「ううぅ・・・」カアァ 梓「・・・さすが和先輩、効果は抜群です」 梓「・・・はぁ」 梓「・・・卒業式、か」 梓「そしたらみんないなくなっちゃうんだよね・・・」 梓「ムギちゃん・・・」 梓「・・・大丈夫!」パンッ 梓「純と憂もけいおん部に入ってくれるって言ってたし」 梓「次は私が部長なんだからしっかりしなきゃ!」 梓「・・・進路か」 梓「わたしもムギちゃんと同じところに行きたいな」 梓「でも、・・・お父さん達はなんて言うかな」 梓「今度相談しなきゃ・・・」 梓「・・・」 梓「はぁ、やめやめ」 梓「明日は学校だもん。もう寝よう」 梓「おやすみ。ムギちゃん」 平沢家! 唯「ありがとうございました」 執事「いえ、では失礼します」 ガチャ 唯憂「ただいまー」 唯「さて、私お風呂の準備しちゃうね」 憂「いいの?」 唯「うん。まかせて!」 唯「えっさ、ほいさ」ゴシゴシ 唯「終わったよ、一緒にお風呂入ろ」 憂「う、うん」 唯「ふあーっ。今日は楽しかったねー」 憂「うん」 唯「・・・なにか考え事?」 憂「え、どうして?」 唯「ふっふっふ。憂の顔を見ればわかるよー」 憂「お姉ちゃん・・・」 憂「・・・うん。あのね、けいおん部に入ろうと思うの」 唯「え?本当!?」 憂「う、うん」 唯「憂がけいおん部かー。いいねー、あずにゃんもきっとよろこぶよ!」 憂「お姉ちゃんはいいの?」 唯「え?もちろんだよ。どうして?」 憂「だ、だって・・・」 憂「お姉ちゃんが大学に行って、私も部活始めちゃたら・・・」 憂「きっと一緒にいる時間が減っちゃうよ・・・」 唯「憂・・・」 憂「それに家事だってきっとお姉ちゃんの負担が増えちゃう・・・」 唯「憂!」 憂「え?」 唯「私は憂にとって何?負担が増えちゃうって・・・」 唯「私は憂の子供なの?お荷物なの?」 憂「そ、そんなこと・・・」 唯「そりゃ、いままで憂に甘えっぱなしだったよ・・・」 唯「自分は部活を楽しんで、憂に家事やお世話任せっぱなしで」 唯「でも告白した時に言ったよね?一緒にやろうって」 唯「まだまだ憂ほど上手にはできないけど頑張ってるつもりだよ?」 唯「・・・だから。負担が増えるなんて、言わないでよ・・・」 憂「・・・うん。ごめんなさい」 唯「私は憂とは恋人だと思ってるよ?憂は?」 憂「・・・もちろん私もだよ!」 唯「えへへっ」ナデナデ 憂「お姉ちゃん・・・」 唯「一緒にいる時間が減っちゃうのは寂しいけど・・・」 唯「でもやっぱり憂には高校生活を楽しんで欲しい」 唯「けいおん部を任せるよ」 憂「う、うん!」 唯「ふぅ・・・。これできっとあずにゃんも大丈夫だよ」 唯「憂とあずにゃんがいるならけいおん部は大丈夫」 唯「・・・そろそろあがろっか」 憂「うん」 唯「あずにゃん部長か・・・。それはそれで興味深いね!」 憂「あははっ」 憂「・・・絶対にけいおん部は無くさないよ!」 唯「ふふっ。憂が言うと頼もしいよ」 憂「ちょっと梓ちゃんにメールするね」 ※127へ 127 ……… 127 梓「・・・さすが和先輩、効果は抜群です」 梓「・・・はぁ」 梓「・・・卒業式、か」 梓「そしたらみんないなくなっちゃうんだよね・・・」 梓「ムギちゃん・・・」 梓「・・・大丈夫!」パンッ 梓「純と憂もけいおん部に入ってくれるって言ってたし」 梓「次は私が部長なんだからしっかりしなきゃ!」 ……… 唯「へ?うん」 憂「・・・一緒に寝よう?」 唯「憂から誘ってくれるのは珍しいね」 憂「えへへ」 唯「よいしょ」モゾモゾ 憂「おやすみ、お姉ちゃん」ギュッ 唯「うん。おやすみ、憂」ギュッ 憂「(・・・澪さん達の関係にも興味はあるけど、このままでいいよね)」 憂「(別に焦る必要はないもんね。おやすみ、お姉ちゃん)」 部室! ガチャ 梓「あれ?なんでみなさんいるんですか?」 梓「さわ子先生に報告しに来ただけですよね?」 唯「んー。暇だったから!」 律「梓が寂しがると思ってな!」 梓「・・・」 憂「愛されてるね。梓ちゃん」 純「だねー」 唯「あれ?憂と純ちゃんだ」 梓「ちょうどいいので紹介します!けいおん部の新メンバーです!」 憂「ど、どうも」 純「よろしくお願いします」 律「え?憂ちゃん達入部するの?」 憂「はい、よろしくお願いします。律先輩」 唯「がんばってね!」 紬「ふふっ。後輩が増えたわ!」 律「そっかー。憂ちゃんが入るならけいおん部は安泰だな」 梓「・・・どういう意味ですか?」 憂「はい!任せてください!」 梓「もう、憂までー」 紬「よかったわね。あずにゃん」ナデナデ 梓「・・・はい」 紬「もう私達がいなくなっても大丈夫ね。部長さん」 梓「先輩たちがいなくなるのは寂しいですけど・・・。私、がんばります!」 澪「まぁ律よりはいい部長になるんじゃないか?」 梓「そうですね。書類忘れるとかはないと思います」 律「うぅ・・・。澪と梓がいじめる・・・」シクシク 唯「おぉ・・・。かわいそうなりっちゃん・・・」ナデナデ 紬「今日は練習に来たの?」 梓「そのつもりでしたけど・・・」チラッ 律「私の心を癒してくれるのは唯とこのお茶だけだ・・・」ズズズ 唯「お茶おいしいねー」 紬「・・・あはは」 紬「・・・せっかくだし憂ちゃん達もどう?」 憂「いいんですか?」 純「ぜひいただきたいと思います」 梓「もう、しょうがないなぁ」 梓「私も手伝います」 紬「ふふっ。ありがとう」 純「お茶楽しみだね」 澪「今日のお茶はおいしいぞー」 純「た、楽しみです!」 紬「はい、どうぞ」コトッ 純「い、いただきます!」 憂「ありがとうございます」 純「おー、おいしい・・・」 憂「うん。とってもおいしいです」 紬「だって。よかったわね、あずにゃん」 純「へ?これ梓が淹れたの?」 梓「まぁね。ムギちゃんと結構練習したし」 唯「あずにゃんの淹れてくれるお茶もおいしいんだよねー」 律「まぁ認めよう」 純「これでお茶の時間は安泰だね」 梓「・・・そんな毎日なんて飲まないからね」 憂「そうだよ。時間は少ないんだから」 純「わかってるって」 律「さて、邪魔者は帰りますかな」 唯「だね。がんばってね、みんな」 梓「え?帰っちゃうんですか?」 律「・・・。なんだ、もっといて欲しいのか?」ニヤニヤ 梓「うっ」 唯「練習の邪魔しちゃ悪いしね」 律「私達が卒業するまでに3人の演奏を聞かせてくれよ」 律「それまでここは自由に使ってくれ、新しいけいおん部の演奏、楽しみにしてるぞ」 梓「律先輩・・・」 紬「ふふっ。私も楽しみにしてるわ。練習、がんばってね」 澪「ベース、がんばってくれ」 純「は、はい!」 律「じゃーなー。下手だったら特訓だからなー」 唯「じゃあねー。ご飯作って待ってるよー」 紬「私も行くわね。がんばってね、あずにゃん」 バタン 憂「・・・いい先輩たちだね」 梓「・・・うん」 梓「」グスッ 梓「さ、さぁ!練習するよ!」 梓「私達の演奏で先輩方をびっくりさせるんだから!」 純「澪先輩と特訓か・・・。それもいいかも」 梓「・・・純?」ゴゴゴ 純「さー練習しよっか!」 憂「そうだね!卒業式まで時間は少ないよ!」 梓「いくよー!」 唯「あずにゃん部長かー」 律「まぁ梓なら大丈夫さ」 澪「憂ちゃんもいるしな」 唯「私達って卒業しても高校に入れるよね?」 紬「たぶん大丈夫よ。OGだもの」 唯「たまに遊びに行こうね!」 紬「うん!」 律「OGの特訓か。面白そうだな」 平沢家! 唯「練習はどう?」 憂「うん。結構上手になったよ」 唯「おー。明日が楽しみだねぇ」 憂「ふふっ。がんばるね」 唯「期待してるよー。憂」 憂「お姉ちゃんも明後日卒業式だからね。準備忘れちゃだめだよ」 唯「うん。任せて!」 次の日! 唯「そろそろ時間だね」 律「おう。んじゃ行くか!我が母校へ!」 澪「もうそんな時間か」 唯「ふふっ。部室に行くの久しぶりだねー」 律「だな。」 紬「早く行きましょう!」 唯「ムギちゃん待って―」 梓「もうそろそろみんな来るね・・・」 憂「う、うん」 純「あー、緊張してきた」 梓「・・・私も」 憂「練習もうまくいったもん。大丈夫だよ」 梓「そ、そうだよね」 梓「・・・ふぅ」 憂「ふふっ。落ち着いた?」 梓「・・・うん」 ガチャ 梓「!」 さわ子「やっほー」 梓「・・・」 さわ子「なによその目は・・・」 梓「・・・いえ、なんでも」 唯「あれ?なんでさわちゃん先生が」 律「よう。待たせたな」 さわ子「なんでも新けいおん部の初披露って言うじゃない。せっかくだから聞きに来たわ」 梓「・・・仕事はいいんですか?」 さわ子「構わないわ」 唯「ねぇ、早く聞かせてよー」 律「そうだぞー。何日も部室を占領した成果を見せてみろー」 澪「私も早く聞きたいな」 紬「あずにゃん早くー」ワクワク さわ子「もう、みんなせっかちね」 梓「みんな・・・」 梓「・・・もう段取りがめちゃくちゃです!」 梓「いくよ!純!」 純「うん!」 梓「憂!」 憂「いいよ!」 梓「1,2,3,4!」 唯「(わぁ。オリジナルなんだ)」 澪「(・・・いい曲だな。みんなしっかり練習したんだな)」 律「(憂ちゃんも純ちゃんも、なかなかやるじゃん)」 紬「(ふふっ。すごいわあずにゃん、がんばったのね)」 さわ子「(この短期間でここまで上達するなんて、楽しみね)」 梓「」ジャーン・・・ 唯「」パチパチパチ 紬「」パチパチパチ 梓「・・・ど、どうでしたか?」 4
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紬「お茶淹れたわよ~」 唯「やった~!」 律「待ってました!」 澪「全く…。今日は飲んだら練習するからな」 梓「ホントですよ、もう」 紬「まあまあまあまあ。とりあえず一息つきましょう」 紬「はい、梓ちゃん」 梓「どうも。ありがとうございます」 紬「みんなもどうぞ~」 律「ふっふっふー」 唯「ふっふっふ~」 梓「…なんですか二人して」 唯「いや~。嬉しそうだな~ってね」 律「なんだかんだ言っても楽しみですものねー」 梓「そりゃそうでしょう。せっかく淹れてもらってますし」 梓「ムギ先輩のお茶は美味しいですから」 梓「でも。私はこの後ちゃんと練習しますので」 唯「ああん、あずにゃんのいけず~!」 律「いけずー!」 澪「もう。少しは梓を見習えよ」 いつもと変わらない軽音部の風景。 知らない人が見たら何をしているのかと思うでしょう? 実際私も初めはそう思いましたから。 いわゆるティータイムです。 お茶を飲んで、お菓子を食べて。みんなでおしゃべりして。 繰り返しますが、私たちは軽音部です。 練習ですか? ええ、しますよ。 ……率先してお茶を楽しんでいる約二名様がやる気を出した時くらいは。 別に非難しているわけではありません。私だってお茶は楽しみです。 それに、この空気といいますか、これが私たちのやり方なんです。 ティータイムは私たちにとって、とっても大事な時間で。 だから、私も。紅茶を淹れてあげたいなって。 いつからか、そう思ってたんです。 澪「ごちそうさま」 唯「今日もムギちゃんのお茶は美味しいね~!」 紬「ふふ。ありがとう。喜んでもらえて私も嬉しいわ」 紬「じゃあ片付けしちゃうわね~」 梓「お手伝いしますよ。ムギ先輩」 紬「あら。ありがとう」 唯「おっ!あずにゃんえらいね~」 律「梓は本当にできた子や」 澪「お前らもたまには手伝ってやれよ」 澪「二人とも、私も手伝うよ」 梓「お気になさらず。澪先輩もゆっくりしてて下さい」 澪「梓にだけやらせるのも悪いよ」 梓「私もいつも手伝ってるわけじゃないですし」 梓「今日は後輩の顔を立てると思ってください」 梓「次の機会には、澪先輩にお願いしますよ」 澪「…そうか?そこまでいうなら、今日はお願い」 澪「梓はいい子だな」 ふっと頭に暖かい感触。 ちょっと大きくて、弦楽器をいじる人間特有の硬さを感じる手。 澪先輩の手が、私の頭を優しく撫でてくれます。 梓「…えへへ」 澪「よしよし」 紬「あらあら素敵♪」 紬「紅茶の淹れ方?」 梓「はい。教えていただきたいなと思って」 お手伝いをしながら、ムギ先輩に聞いてみました。 紬「紅茶に興味があったなんて嬉しいわ~」 梓「いつも美味しくいただいてますから。ありがとうございます」 紬「いいのよ~。気にしなくて」 とは言っても、ムギ先輩の持ってくるものは高級品だ。 家で飲むような安物の紅茶とは、なんというかすべてが違います。 お礼の一つでも言いたくなるものです。 梓「できたら、私も淹れてみたいなって」 紬「まあ!じゃあ今度、みんなで紅茶淹れてみよっか?」 梓「あ、えと。できたら二人でやりたいんですけど……」 紬「あらあら。うふふふ」 梓「…どうしたんですか?」 紬「いいわよ~。じゃあ皆にはナイショで」 紬「時間があるときに、二人で練習しましょうか」 変な勘違いをされている気がする。 いや、この笑みはきっとしていますね。 主に乙女の妄想的な意味で。 紬「梓ちゃんのお相手はだれなのかしら~」 梓「…そういうのじゃないですよ」 梓「きっと、ムギ先輩の考えてるのとは、ちょっと違うと思います」 紬「ふふ。じゃあそういう事にしておきましょうか」 嬉しそうな先輩を見てると何だか変に否定するのも悪い気がします。 ……私もムギ先輩には甘いものです。 ―――― それから、私たちは二人になれるときに、密かに特訓を始めました。 紬「それじゃあ始めるわよ」 梓「はい!先生!」 紬「あら、先生だなんて。…ちょっといいわね~」 ぽわぽわ~。なんて効果音が実に似合います。 妄想モードに入ってしまわれました。 まあ、邪魔するのも悪いですし、可愛いのでしばらく見ていましょう。 紬「…はっ。いけないいけない」 梓「おかえりなさい。先生」 紬「…こほん」 紬「一口に淹れ方っていっても、茶葉によって適している方法も違うの」 梓「部室にもけっこういっぱいありますよね」 紬「うん。だからよく使う何種類かの淹れ方を教えるね」 紬「じゃあ、最初はこの茶葉からいきましょうか」 紬「これは唯ちゃんが好きなやつね」 梓「やっぱり皆さん好みがあるんですね」 紬「ええ。まあ、聞いたわけじゃないんだけどね」 紬「これを飲んでる時が一番嬉しそうかな~って」 流石というかなんというか。 まずはこういった気配りが大事なのかもしれません。 梓「勉強になります」 紬「あらあら。まだ初めてないわよ?」 梓「いえ。大事なことを教えてもらったような気がします」 紬「これはミルクティーにすると美味しいの」 紬「唯ちゃんに入れてあげるのは、砂糖をちょっとだけ多めに」 梓「…なんというか、イメージにぴったりですね」 紬「そうね。優しくて温かい唯ちゃんにぴったりかも」 紬「その人の性格も出るのかしら?」 梓「どうなんでしょうかね?」 本格的な紅茶は淹れる手順もけっこう色々あって。 恥ずかしながら、今まで適当に淹れてた私では知らないことも多かったです。 慣れた手つきでてきぱきとこなしていくムギ先輩。 なんだか魔法みたいだなぁって。 ふと、そんなふうに思いました。 ほとんどムギ先輩にやってもらいましたが なんとか初めての一杯が出来上がりました。 甘そうないい香りがします。 紬「これで唯ちゃんも大喜びよ!」 梓「でも、まだまだ一人できちんとはできそうにないですから」 紬「じゃあこれからも練習あるのみね」 梓「はい。またお願いします!」 紬「淹れてあげるの楽しみね~。ふふふ…」 ムギ先輩はまた何だか上機嫌です。…妄想してますね? 紬「やっぱりゆいあずはいいわよね~」 梓「…なにいってるんですか」 紬「いいのいいの」 紬「いっつもくっついてるじゃない」 梓「唯先輩が勝手に抱きついてくるだけですよ」 紬「でもすっごく嬉しそうよ?」 梓「まあそりゃ、嫌じゃないですけど…」 梓「そんなに傍から見て嬉しそうにしてますか?」 紬「ええ。とっても!」 梓「目標はポーカーフェイスになること。にします」 紬「恥ずかしがらなくてもいいのに」 紬「でも、唯ちゃんはいいな~」 梓「どうしたんですかいきなり」 梓「…もしかして、ムギ先輩もあんな風にしたいんですか?」 紬「えへへ。実は」 梓「もう…暑苦しいだけですよ?」 紬「いいじゃない。スキンシップ。とってもいいわよ!」 紬「肌を触れ合わせるのって、親愛の証だと思うの」 梓「そんな大げさな…。まあ、仲がいい証拠だとは思いますけど」 紬「でしょ! だからもっとみんなとスキンシップしたいんだけどな」 梓「していいと思いますよ?ムギ先輩なら誰も嫌がったりしませんって」 紬「そうかしら…?」 梓「はい。私だったら嫌がりませんよ。絶対」 紬「あらあら!ほんとに?」 なんだろう。いますっごく恥ずかしいことを、サラッといった気がします。 梓「ええ。だから、その」 梓「抱きしめたくなったら、ご自由にどうぞ」 って、これ冷静に考えたらすっごい恥ずかしいこと言ってるよね!? 紬「ふっふっふ~」 紬「あ~ずにゃ~ん!」 梓「にゃああ!?」 早速抱きつかれました。 なんといいましょうか。あったかくて。柔らかくて。 優しそうないい匂いがしました。 紬「ふふ。梓ちゃんすごく抱き心地がいい」 梓「抱き心地…ですか。そんなにいいですか?」 紬「ええ。とっても!」 紬「唯ちゃんがいつも抱きついてるのも分かるわ~」 梓「…そうですか。ありがとうございます」 私も、抱かれ心地が良くて、すごく気持ちいいですよ。 ……なんて言葉が出かかりましたが。 その瞬間すごく恥ずかしくなったのでやめておきました。 そのかわりに… 梓「私なんかでよければ、これからも」 梓「その、お好きなようにどうぞ」 紬「ありがとう。梓ちゃん」 ぎゅっと。少しだけ抱き寄せられます。 子供みたいに嬉しそうな顔をしてるムギ先輩。 それにつられて、私も自然と笑顔になります。 …この笑顔が見れるなら、安いもんです。 唯先輩とは、感触も、匂いも、違ったけれど。 優しくて、暖かくて、どこか似ているような。 二人とも、そんな人だからでしょうか? 似たもの同士なのかなぁって。 朧気に、そんなことを考えていました。 紬「唯ちゃんは誰にでもこんな風にできて、ちょっと羨ましい」 梓「あの人にはもう少し遠慮というものを学んで欲しいです」 紬「いいじゃない。あれが唯ちゃんらしさよ」 梓「まあ、そうですけど。誰かれ構わず抱きついたりは…」 梓「…なに笑ってるですか?」 紬「梓ちゃん、ヤキモチ?」 梓「…!!そんなんじゃないです!」 紬「照れなくてもいいのに~」 梓「そんなんじゃないんですってばぁ!」 こんな変なところまで、ちょっと似ているみたいです ―――― 紬「じゃあ今日はこれね」 梓「これ私もけっこう好きですよ」 紬「これはりっちゃんが好きなやつね」 梓「へぇ。律先輩はこれなんですか」 紬「あら、ちょっと意外そうね」 梓「言っちゃ悪いですが、律先輩のイメージじゃなかったです」 紬「そう?わたしはりっちゃんらしいかな~って思ったけど」 梓「珍しく意見の相違が出ましたね」 紬「…ふふ。それにしても」 梓「??」 紬「梓ちゃんはりっちゃんには割と遠慮がないというか」 紬「気兼ねなく接してるよね」 梓「そうでしょうか? …まあ、言われてみるとそうかも知れません」 梓「変に気を使ったりとかは、ない気がしますね」 紬「そこがりっちゃんのすごいところよね~」 梓「…そうですね」 梓「気を使わせないようにしようって、そういう風に気を配ってくれてるというか」 梓「そういう人なんだなってのは、何となく分かってきました」 紬「そうね~。だからかしら」 紬「りっちゃんはいいなーって。思う時があるの」 梓「ムギ先輩が……ですか?」 紬「私は、そういう風にするのが得意じゃないみたいで」 紬「梓ちゃんだってそうでしょう?」 梓「え…?」 紬「りっちゃんに対するみたいに、私と接しようとは思わないでしょ?」 梓「あ……。その。まあ、確かにそうですね」 紬「誰にでもくだけて接してもらえる。そういう空気を作り出せる」 紬「そういう優しさって、いいなぁって」 紬「私には、難しいかな…って。たまに思っちゃうから」 言いたいことは分かります。律先輩はそういう人で。 ムギ先輩は、そういう関係に憧れみたいなのを持ってるみたいです。 でも、だからって。寂しそうな顔しないでください。 梓「いいんじゃないでしょうか。違ってても」 紬「…梓ちゃん?」 梓「律先輩は律先輩。ムギ先輩はムギ先輩で」 梓「ただ、優しさのカタチが違うだけなんですよ」 梓「優しさであることに変わりはありません。ちゃんとみんな分かってるはずです」 梓「それはどっちが良い悪いとかじゃないんだって、私は思います」 梓「お二人とも、私にとっては優しくて、いい先輩ですから」 梓「他の皆さんだって!接し方が違ったとしても」 梓「ちゃんとムギ先輩に心を許してるはずですよ!」 私だってそうです。皆さんだってそうに決まってます。 梓「だから、ムギ先輩は今まで通りでいいと思います」 梓「無理して変わったりしても、それは。ムギ先輩じゃなくなっちゃいます」 私はそんなの、なんか嫌です。 紬「…あ~ずにゃ~ん」 梓「にゃ!?」 また抱きつかれてしまいました。 あったかいです。あと、やっぱり気持ちいいかもしれません。 …自分で思ってる以上にこういうの好きなんでしょうか? 紬「優しいのね、ほんと」 梓「そんなことないです。分かったような気になって」 梓「生意気なこと言ってるだけですよ。きっと」 紬「それでも、ありがとう」 梓「…私でよければ、何でも話してください」 梓「聞くくらいなら。出来ますので」 梓「あ、それと。抱きつきもサービスしますよ」 紬「あずにゃんは優しいね。いいこいいこ」 梓「もう…。ほんとに唯先輩みたいですね」 その日に淹れた紅茶は、飲み慣れた中の一つ。 さっぱりしてて、爽やかな香り。 きっと、誰の口にも合うような、そんな紅茶。 なんとなく、律先輩っぽいかなって。 初めて、そんなふうに思いました。 …… 紬「うーん。そうねぇ…」 梓「どうしたんですか?」 紬「りつあず!とかはどうかしら?」 梓「…はい?」 紬「いいコンビだと思うんだけど?」 梓「はあ? …なんと答えたらいいんでしょうか?」 紬「ああ!あずりつ!の方がいいのかな」 梓「そういう意味じゃないです…」 ムギ先輩がそういう趣味があるみたいってのは聞いてましたけど。 やたら引っ張りますね。 律先輩と、私。そんなにいいものなんでしょうか? 2
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がたがたがたっ、びしびしっ、がたがたがたっ 紬「これは、ちょっとどうなのかしら」 律「寝てる場合じゃないかもな。・・・澪、起きろ。おーい、澪」 ゆさゆさ 唯「あずにゃん、あずにゃん」 ゆさゆさ 梓「・・・おはようございます」 律「礼儀正しいな、おい」 澪「・・・ごめん。本当に寝ちゃってた」 律「いや、それは良いんだが。かなり風が強くなってきた。下手すると、これは・・・」 ガシャッ。バリッ、ガシャガシャッ。 澪「うわっ?」 律「やべ、本当に割れたっ」 梓「ギ、ギターが、飛んでっちゃいましたよっ」 唯「で、でも。こ、こにいたら危ないよね」 律「ああ。階段まで一旦出て、取りあえずはそこで待機するか」 紬「・・・澪ちゃんっ?」 律「ムギ、どうした?」 紬「澪ちゃんが、窓際にっ」 律「なにっ?・・・おい澪っ、戻れっ」 澪「駄目だっ。ギターが濡れるっ」 唯「澪ちゃんっ、危ないよっ。早く、戻って来てっ」 梓「澪先輩っ。ギターよりも、自分の事を心配して下さいっ」 澪「そんな事、出来る訳が・・・。それ程、濡れてないな」 梓「・・・先輩、ギターを投げて下さいっ」 澪「・・・落とせば壊れるぞっ」 梓「構いませんっ。先輩は、自分の事だけを考えて下さいっ」 澪「分かった・・・。えいっ」 唯「うわっと。・・・ムッタンキャッチッ」 澪「次、行くぞっ」 紬「ギー太も、キャッチッ」 梓「エリザベスもっ」 澪「後はドラムと……」 ガシャッ、バリバリッ、ガシャッ 澪「わっ?」 律「くっ、また割れたか。澪ーっ、早く戻ってこいっ」 澪「・・・律っ、ドラムは置いてくぞっ」 律「そんな事構うなっ。私はここにいるっ。だから、お前は戻ってこいっ」 澪「ああっ」 澪「くっ、風が強くて」 紬「澪ちゃん、急いでっ。また割れたら危ないわよっ」 澪「分かってる。分かってるけど、雨で前が」 ビューッ、ビュー、ビューッ 澪「うわっ」 律「ちっ」 ダダダッ 紬「りっちゃんっ?」 ガシャッ、ガシャッ、ガシャーッ 律「くっ」 澪「律っ」 律「構うなっ。走れっ」 澪「わ、分かったっ」 律「はぁ、はぁ、はぁ」 澪「わ、私をかばったから・・・」 律「気にすんな。ちょっと破片がかすめただけで・・・。くっ」 紬「りっちゃん、動かないで。・・・梓ちゃん、懐中電灯を」 梓「は、はい」 紬「膝の上が結構切れてるわね。それ程、深くはないみたいだけど」 澪「ごめん、ごめん。律」 律「だから、気にすんなって。それより、エリザベスが無事で良かったな」 澪「律・・・」 紬「何も無いけど、とにかく縛った方が良いわね」 澪「私のハンカチとリボンで」 律「おい、澪」 澪「律は黙ってろっ。・・・これでいいか、ムギ」 紬「多分、大丈夫だと思う。りっちゃん、きつくない?」 律「ああ、ありがとう。しかし、廊下に出てもあまり変わらないな」 紬「風のせいで、ドアが閉まらないのね」 澪「・・・生徒会室まで行こう。そうすれば消毒や包帯もあると思う」 律「でも私はちょっと・・・」 紬「大丈夫よ」 ひょいっ 律「おわっ」 律「おい、ムギ。大丈夫か?」 紬「全然平気よ♪ムギちゃんこそ、辛くない?」 律「いや。快適だけどさ」 紬「良かった♪」 澪「梓、懐中電灯を貸してくれ。私が前を歩く」 梓「は、はい」 律「大丈夫か?本当に真っ暗だぞ」 澪「そんな事言ってる場合じゃないだろ。梓、ムギと律の事見ててくれ」 梓「は、はい」 澪「階段濡れてるから、気を付けろ」 紬「了解」 梓「律先輩、痛くないですか」 律「だから少し切れただけだって」 梓「唯先輩も、大丈夫ですか」 唯「へ、平気だよ」 よろよろ 梓「ムッタンは自分で持ちますから。先輩は、ギー太とエリザベスをお願いします」 唯「ご、ごめん。本当、ムギちゃんはすごいねー」 紬「りっちゃんは軽いから♪」 律「照れるな、おい」 2F廊下 ざー、ざざー、ざー 梓「ここも、結構窓が割れてますね」 澪「ただ生徒会室へ行くには、ここを抜けるしかないんだよ。ムギ、大丈夫か」 紬「私は平気だけど、りっちゃんが」 律「今更濡れても気にしないさ」 澪「分かった。ムギ、悪いけど、出来るだけ急いでくれ」 紬「了解」 梓「ちょっと待って下さい」 たたたっ 澪「梓っ?」 紬「梓ちゃんっ」 梓「ムッタンで割れた所を押さえてますから、今の内に渡って下さい」 澪「悪い、梓・・・。ムギ」 紬「ええ。りっちゃん、行くわよ」 律「ああ。梓・・・、正直済まん」 梓「なんですか、それ」 くすっ 澪「どうにか渡れたか・・・。唯も早くっ」 唯「あ、うん。今行くよ。あずにゃんも早く、向こう側へ」 梓「唯先輩が渡ったら、すぐに行きます・・・。あれ?」 唯「あずにゃん、どうしたの?」 梓「いえ、その。あの。割れた窓を塞いでるギターが」 唯「うん」 梓「・・・ムッタンじゃなくて、ギー太でした」 唯「え?」 梓「ご、ごめんなさい。本当に、済みません。済みませんでしたっ」 唯「・・・あずにゃん」 梓「は、はい」 びくっ 唯「・・・ありがとう、あずにゃん♪」 きゅっ 梓「え」 唯「あずにゃんが窓を塞いでくれたから、ムギちゃんとりっちゃんは濡れずに渡れたんだよ」 梓「でも、ギー太が」 唯「大丈夫だよ。ギー太も、みんなを守れて嬉しいって言ってるしね」 梓「でも」 唯「ギー太がそう思ってるって事は、私もそう思ってるんだよ。あずにゃん、ありがとうって」 梓「・・・唯先輩っ」 きゅっ 唯「良かった、良かった」 きゅっ 2階・廊下 律「でもそれって、唯が間違えてギー太を渡したんじゃないのか?」 唯「・・・本当、風が強いねー。何も聞こえないよ」 律「この野郎。しかし生徒会室って、結構遠いな」 梓「暗いですし、ゆっくり進んでますからね」 紬「ごめんね、みんな。私がもっと早く歩ければ」 梓「そ、そんな事は全然。私こそ、勝手な事言って済みません」 律「正直済まん」 唯「りっちゃん、そればっかりだね」 梓「本当ですよ」 くすっ 紬「・・・」 2~1階・階段踊り場 澪「ちょっと休憩するか」 唯「そだね。雨も吹き込んでこないし、朝までここにいる?」 澪「唯達は濡れてるから、着替えるか体を乾かさないと」 梓「それに、律先輩の怪我もありますし」 律「私は全然平気だけどな。大体私よりも、ムギに聞かないと。・・・ムギ?」 紬「え?」 律「・・・ムギ。これって雨じゃなくて、汗だろ」 紬「私は、平気、だから」 にこ 律「そんな訳あるか。大体無理しすぎたんだよ。いくら何でも、ずっと私を背負って歩ける訳無いだろ」 紬「平気だって。りっちゃん、軽いから」 律「だからって、限度があるよ。・・・ここからは私も歩くから」 紬「りっちゃん。わがまま言わないで」 律「わがまま言ってるのはムギだろっ」 紬「りっちゃんっ」 梓「ふ、二人とも、落ち着いて下さい」 律「とにかく私は歩くからな。・・・っと」 よろっ 澪「律っ?」 唯「りっちゃん?」 律「は、はは。演技演技。ずっと背負われてたから、立ちくらみしただけだよ。全然平気だって。・・・くっ」 よろっ 紬「りっちゃん、背中に乗って」 律「平気だって言ってるだろ」 紬「りっちゃん」 律「だから平気だって・・・」 紬「りっちゃん、乗りなさいっ」 律「・・・正直、済まん」 ひょい 紬「りっちゃん、そればっかりね」 くす 律「たはは」 紬「うふふ♪」 梓「一時はどうなるかと思いましたが、本当に良かったです」 唯「私も変な汗かいちゃった」 澪「あと少しの辛抱だ。ムギ、律の事頼むぞ」 紬「任せて♪」 3
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《ハナダ岬》 マサキ「ポケモンリーグやて?」 律「ああ! いつやるか分かるか!?」 マサキ「まあそれくらいはすぐに分かるけど…」 マサキ「……。明日みたいやな」 唯律「明日!?」 律「あ、あぶね~。ギリギリ間に合うぜ~」 唯「やったね、りっちゃん!」 マサキ「…そういや。あんたら、ジムバッジは全部集めたんかいな?」 律「ん、ああ…ジョウトとイッシュのジムバッジをコンプリートしたけど」 マサキ「駄目やん!」 律「……へっ?」 マサキ「今年のポケモンリーグは、カントー・ジョウト・ホウエン・シンオウの四地方合同や! せやから、イッシュ地方のバッジでエントリーはできんで!!」 唯律「ええええ!?」 唯「ど、どうしよう!」 マサキ「そうやなぁ…今からなら、ヤマブキのジムも間に合うか…?」 唯「…?」 律「マサキ、カントーのバッジで私たちが持ってないのは、トキワのジムバッジだぞ?」 マサキ「…はれ? でも、モンスターボールと一緒にウバメの森に落ちていたバッジの中に、グリーンバッジもあったで?」スッ キラアン! 唯「ほ、ホントだ!」 律「な、なんで…?」 唯「でもこれで二人でエントリーできるね!」 律「ああ!」 マサキ「しかし、トキワジムは最近、新任のジムリーダーが入ったそうでな。二人でジムリーダーをやっているそうや。 使うポケモンは二匹のドラゴンポケモンで、そら強いのなんのって噂や……。唯はん達、早めにバッジ貰えて良かったなあ…って、なにニヤついているんや?」 唯「う、ううん」 律「なんでもないよ」 唯(Nくんとシルベルくん……良かったあ) 律(シルバーな) マサキ「??」 律「んじゃあ、私たちは行ってくるからさ」 唯「応援よろしくね~」 マサキ「…ああ! お任せあれや!」 唯律「……」 マサキ「な、なんや?」 唯「マサキさん…」 律「なんでお前もさっきからニヤついてるんだ…?」 マサキ「え! …いや、ああ、なんでもあれへんよ?」 唯「…そう?」 マサキ「うんうんっ! 心配せんでもええで!」 唯「そっか」 律「それじゃあ会えたら、会場で会おうぜ」 マサキ「ああ、またな!」 ガチャンッ マサキ「……」 マサキ「さて、こっちも準備をするとしますか!」 ……… …… … 翌日 《ポケモンリーグ会場》 梓「着きましたよ、ムギ先輩!」 紬「ポケモンリーグ! みんな来てるかしら♪」 梓「きっとみなさん来てますよ! 唯先輩と律先輩は不安ですけど…」 紬「ふふっ」 梓「それじゃあ、受付を済ませましょうか」 紬「ええ。…あ、そうだ……梓ちゃん」 梓「はい?」 紬「梓ちゃんは参加用にシンオウのジムバッジを使う?」 梓「でも、あれはムギ先輩のバッジで…」 紬「ううん…梓ちゃんと一緒だったから、全部集められたのよ。逆に言えば、梓ちゃんと一緒じゃなかったら集められなかった……」 梓「ムギ先輩…」 紬「ね、使って?」ニコッ 梓「……はいっ!」 紬「うふふっ♪」 紬「受付へ急ぎましょうっ」タタッ 梓「……」 梓(実はカントーにいる時にシバ先生と修業ついでにジム制覇してたんだけど……) 紬「シャランラシャランラ~♪ 受付お願いします~♪」 梓(まあ…) スッ… 梓「受付お願いしますっ!」バンッ 受付「シンオウ地方のバッジですね。 はい、いいですよー」 ……… …… … 受付「受付終了まで残りわずかです。まだ受付が済んでいない方は…」 タタタッ! 受付「!」 唯「ま、間に合ったあ~!」 律「はあはあ…。まったく、だから急げって言ったのに……」 唯「だって、あんなかわいいコラッタ初めて見たんだもん!」 律「ポケモンに会う度に足止め食らわされる、こっちの身にもなれ!」 唯「なにを~!」 律「なんだと~!」 唯「りっちゃんめっ。りっちゃん、りっちゃん、りっちゃん!」ポカポカ! 律「唯めっ! ゆい、ゆい、ゆい!」ポカポカ! 受付「」ポカーン 受付「あ、あのう…受付終了しますよ?」 唯律「ハッ…!」 律「これでお願いします!」スッ 受付「はい、カントー地方とジョウト地方のバッジですね。 それではもうすぐ試合が始まりますので、指定されたブロックにお向かいください」 唯律「はい!」 … テクテク… 唯「ふえ~、ここがポケモンリーグの中か~! すごいねえ!」 律「トレーナーたちの夢、リーグチャンピオン……ここでなれるかもしれないんだ」 唯「最強のトレーナー、りっちゃんの夢への第一歩だねっ!」 律「ああ! 絶対に優勝してやるぜ!」 ワアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!! 唯「ふぇ!?」 律「な、なんだあ? この歓声…」 唯「あっちの方……Fブロック?」 澪「カゲぴょん、“ほのおのパンチ”!」 カゲぴょん「グオオーッ!!」ボオッ! ラフレシア「ラフー!?」 ボオオオオオンッ! ラフレシア「」バタアンッ トレーナー「ラフレシアっ!」 審判「ラフレシア戦闘不能! よって勝者、秋山澪!」 澪「や、やった…!」 ワアアアアアアアアッ!!!! 律「澪…!」 唯「すごーい、澪ちゃん!」 澪「!」チラッ 澪「…ふふ」 律「! …へへっ」 クルッ! 律「よし。私たちも頑張るぞ、唯!」 唯「うん、りっちゃん!」 律「私はCブロックだそうだ!」 唯「私、Aブロック!」 律「そっか…ブロックは別になるけど、お互い優勝目指して頑張ろうぜ!」 唯「うんっ!」 … 《Hブロック》 梓「ミミちゃん、“とびげり”!」 ミミちゃん「ミミロー!!」シュッ! ドオオオオン!!!!! ラッキー「ラキ…」ガクッ 審判「勝者、中野梓!」 梓「やったね、ミミちゃん!」 ミミちゃん「ミミロー!」ピョンッ 梓「このブロックで一位になれば、決勝リーグに進める…。今のところ順調順調♪ ムギ先輩は大丈夫かな…」 梓「確か、ムギ先輩はEブロックのはず…」 電光掲示板《ただ今のEブロックのバトルの勝者は琴吹紬選手》ツラー 梓「ムギ先輩頑張ってるみたいだ! 私たちも負けてられないね!」 ミミちゃん「ミミロー!」フンスッ 梓「まずはこのブロックを勝ち抜いて、決勝リーグに……。あと何勝で一位だろう?」 タタッ 梓「あのーすみません」 審判「はい、どうしました?」 梓「Hブロックの中野梓と言います。あと何回勝てば一位になれるか分かりますか?」 審判「中野梓選手ですね。少々お待ちください…」ピッピッ 審判「…はい、出ました。中野選手は現在四勝ですので、次の試合で勝利すればHブロック一位になります」 梓「ありがとうございます!」ペコリ 梓「…よーし! あと一勝だって。次の試合、絶対に勝とう!」 ミミちゃん「ミミロー!」オー! 梓「ブロック最後の相手はどんな人だろう…」 キイイイン…… 『あー、あーマイテスマイテス』 梓「? 放送かな…」 『Aブロック、Cブロック、Dブロック、Eブロック、Fブロック、Gブロック、Hブロック…。 以上のブロックの選手で、四勝しとる選手は第二試合場に集まってくださいなー』 梓「…? そういえば、私四勝してるって言ってたよね……。行ってみよう」 … 《第二試合場》 梓「ここかな…」 唯「あれ? あずにゃん!」 梓「唯先輩!」 タタタッ 唯「あずにゃんも勝ち残ったんだね!」 梓「はい! …って、まさか唯先輩も…?」 唯「むうっ。私だってやれば出来るんだから! ちゃんと四勝したよ~!」プクー 梓「ていうか、受付間に合ったんですね」 唯「そこから!?」(…危なかったけどね) 唯「そうだ、あずにゃん! もうみんな来てるんだよ!」 梓「みんな?」 ゾロゾロ 律「よー、梓!」 澪「やっぱり勝ち残ってたか」 紬「流石ね~、梓ちゃん♪」 梓「律先輩、澪先輩、ムギ先輩!」 梓「みなさんも四勝を?」 律「おう」 澪「それに、私たちだけじゃないよ」 紬「ふふ♪」 梓「?」 ダーッ! 「うあーっ! ちょっとどいてー!!」 梓「は…」 ゴチイイン!!!!! 梓「にゃわ~!?」ズサアッ! 紬「だ、大丈夫っ! 梓ちゃん!?」 梓「うう~…いったい……」 「なんだってのよーっ!!!」 梓「……この雑音は!」 梓「純!」 唯紬「純ちゃん!」 澪「鈴木さん!」 律「佐々木さん!」 純「雑音ってなによ! ってかなんで唯先輩と梓以外の皆さんまで!? 最後の別人だし!!」 純「はあはあ……」 皆「オオー」パチパチ 梓(三回目にしてやっとツッコんだ。二回目はクロツグさんだったけど) テクテク 和「あら、相変わらず賑やかね」 梓「! 和先輩!」 唯「和ちゃ~ん!」ダッ ギュウッ! 和「ちょ、唯…」 唯「会えて嬉しいよ、和ちゃん!」 和「唯…」 紬「リーグで会うって約束したものね♪」 唯「うんっ!」 律「これで全員揃ったな!」 純「はい!」 梓「? あれ…でもむぐっ!?」 律「」ガバッ 梓「りつへんはい、なにひゅるんでふかっ!?」 律「まあまあ」 純「まあまあ」ガシッ 梓「じゅんまへっ!?」 唯「? どうしたんだろ、りっちゃんたち」 和「色々事情があるのよ、色々」 唯「??」 『はいはぁーい、皆はんお揃いのようでー!』 皆「!!」 澪「なんだ?」 紬「さっき放送を流してた人?」 唯律「…この声って」 梓「ひってるんへすは?」 律「純ちゃん、いい加減放してやれ」 純「いえっさー!」 梓「ぷはっ」 梓「唯先輩と律先輩…この声聞いたことあるんですか?」 律「んー…聞いたことあるっつーより……な?」 唯「うん、りっちゃん」 梓「??」 『なんやなんや。もう気づいている人もいるようやし、ここらで自己紹介といきましょか』 マサキ『わいはマサキ。この第二試合場で司会を務めさせてもろうとる』 唯「…マサキさん」 律「やっぱりか……。ニヤついてたのはこれかよ」 マサキ『まあまあ、そんな気を落とさんといてーな』 紬「マサキさん、っていうと…カントーのポケモン転送プログラム管理者の?」 梓「そういえば、ショウロさんが言ってましたね」 マサキ『そうや、そのマサキや! いや~ショウロはんには色々と世話になったからな~。ホンマに今度会って御礼をしなあかんなあ…』 唯律紬梓(顔見ただけで失神しそう…) 律「…つうか、マサキ」 マサキ『なんや? 律はん』 律「私たちはなんでここに集められたんだ?」 マサキ『そんなん決まっとるやろ。 ここで各ブロックの一位を決めるバトルをしてもらうんや』 皆「…!!」 35
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あなたは大切な人がいなくなったことってありますか? 私はあります。私のすぐ傍にいて、いつも私に笑顔をくれた・・・大切な人・・・。 あなたがいなくなってから、早くも2年が経ちますね。一体あなたはどこで何をしてるのでしょうか・・・。「早くあなたに会いたい」そう思いながら毎日を過ごしています。 梓「・・・・・・」 空を見上げると、あの日とまったく変わらない、雲ひとつない青空が見えました。あなたも同じような青空を見ているのでしょうか。 そう思いながら、HTTのみんなで初日の出を見たあの山で空を見上げていると、律先輩がやってきました。 律「こんなところにいたのか」 梓「律先輩・・・」 律「予想はしていたが、やっぱりな」 梓「・・・」 律「忘れられない場所・・・だもんな」 梓「・・・はい」 律「あいつ・・・どこで何をしてるんだか」 梓「・・・本当ですよね」 律「あ、そうだ。梓に用があったんだ」 梓「はい?」 律「ほら、もうすぐあの日じゃん?」 梓「ああ・・・そうですね」 律「だから、みんなで集まろうと思って」 梓「いいですよ。むしろ、参加したいです」 律「サンキュ。梓なら、そう言うと思ってたよ」 梓「そうですか」 私の前から姿を消した人。それは、私が大好きだった、平沢 唯先輩。唯先輩が消えた日というのは、もうすぐやってくる11月27日。唯先輩の誕生日。唯先輩が消えてからは、毎年HTTのみんなで集まって、外食とかをしています。 律「梓はもう少しここにいるのか?」 梓「まあ・・・そうですね」 律「じゃあ、夕方6時に駅前な」 梓「わかりました」 私に背を向け、去っていく律先輩。私は、あの日のことを思い出していました。唯先輩が消えたあの日・・・。 あの日は、HTTのみんなで誕生日会を開いていました。そして、大盛り上がりを見せ、誕生会は無事に終了しました。 駅前でみんなと別れ、私も家へ帰ろうと思い、途中まで進行方向の一緒である唯先輩と一緒に帰ることにしました。 唯『今日は楽しかったね~♪』 梓『はい!今までにないくらい、楽しかったです!』 他愛も無い会話。いつまでも続くと思っていたこんな毎日。 唯『♪~♪~♪~』 鼻歌を歌いながら掛けてく唯先輩。 梓『あれ?家はそこでは?』 唯『私は、ちょっと用があってね~』 梓『私でよければお供しますが』 唯『う~ん・・・。まあ、いっか~。いいよ~』 唯先輩についていくがまま、ついた場所。それは・・・。 梓『ここは・・・』 唯『知ってるよね。みんなで来たことあるもんね』 高1の冬。みんなで初日の出を見に行ったこの山でした。 梓『ここに何の用があるんですか?』 唯『ん~ちょっとね~』 前へ前へ進んでいく唯先輩。すると。 律『あれっ、唯と梓じゃないか』 駅前で別れたはずの律先輩が来ました。 唯『りっちゃん?なんで、ここに?』 律『まあ、適当に散歩がしたくなってな。ここなら景色良いだろうし、丁度良いと思って。唯は?』 唯『私は、ちょっとここに用があって』 律『そうか。今日はちょっと冷えるからな。なるべく早く帰った方が良いぞ?』 梓『暇つぶしに散歩してる律先輩には言われたくなかったです』 律『なにを~?結構言うじゃねえか~』 私と律先輩がじゃれあっていると、寂しげな瞳で見つめる唯先輩。 律『ん?唯、どうかしたか?』 梓『?』 唯『ほぇ!?な、なんでもないよ?』 律『なんでもないわけないだろ。ちょっと涙目だぞ?』 唯『へ・・・?』 頬を触り、確認する唯先輩。確かにその目からは涙が流れていました。 梓『何かあったんですか?』 唯『えっと・・・』 涙声になりつつある唯先輩。 律『ゆっくりでいいから、話してみ?』 唯『う、うん・・・。ありがとう・・・』 泣きそうになるのを抑えて、重い口を開きました。 唯『私・・・そろそろ帰らなくちゃいけないんだ・・・』 律『へ?だったら、ここに来る必要なかったんじゃないか?』 梓『そうですよ。ここに用があるって言ってませんでした?』 唯『そうじゃなくてね。何ていえばいいかな・・・』 言葉を探す唯先輩。家へ帰るのではないかと思っていた私と律先輩。 唯『"さようなら"って言えばわかりやすいのかもしれない』 律『"さようなら"?』 唯『・・・うん。またねとかじゃなくて、"さようなら"』 梓『え・・・?引越しでもするんですか・・・?』 唯『そうじゃないんだ。多分、理解できないと思うけど・・・』 律『言ってみ?お前なりの言葉でいいから』 唯『うん・・・。お別れしなくちゃいけないの。みんなと・・・』 梓『えっと・・・』 頭の中が混乱して、どういうことかが分からなくなってる私。 唯『実はね・・・私はこの世界の人間じゃないんだよ・・・』 律『・・・・・・』 唯『本当はもう少し一緒にいたかったんだけど、もうそろそろ限界で・・・』 梓『・・・・・・』 唯『信じてくれなくてもいいし、理解してくれなくてもいい。でも、覚えておいてほしいんだ』 梓『・・・・・・』 私は考えていました。唯先輩がこの世界の人間ではないこと。そして、もうすぐお別れだということ。 律『・・・・・・』 唯『じゃあ・・・寂しくなるけど・・・もうそろそろ行かなくちゃ・・・』 梓『・・・!!』 とっさに思うがまま、私は唯先輩の体を抱きしめた。 梓『行かないでください!お願いだから・・・』 唯『あずにゃん・・・』 梓『お願いだから・・・行かないでぇ・・・』 泣き崩れる私。すると、律先輩が歩み寄る。 律『なあ・・・また会えるんだよな?』 唯『・・・・・・』 唯先輩は何も言わなかった。 梓『もう会えないなんてイヤだよぉ・・・』 唯『ごめんね・・・。私もあずにゃんとお別れなんてイヤだけど・・・しょうがないことだもん・・・』 律『あたしもできれば、さよならなんてイヤだけどさ・・・。唯の事情もあるんだろうし・・・。やっぱり、しょうがない・・・のかもしれないな・・・』 唯『うん・・・。ごめんね・・・』 律『謝らなくて良いよ。別れたくて別れるんじゃないんだしさ』 唯『うん・・・ありがとう・・・』 律『軽音部の部長として、部員の去る姿を見届けるよ』 唯『うん・・・。もう、軽音部じゃないけどね』 律『放課後ティータイムである限り、あたしらはずっと、桜高軽音部だよ』 唯『そうだね・・・。思い出がたくさん詰まった学校だもんね。卒業して2年経つけど、はっきり覚えてるよ』 律『本当にお前には感謝してるんだ。唯が入部しなかったら、廃部になっていたしな・・・』 唯『うん・・・。ありがとうね・・・本当に』 律先輩が涙を堪えているのが見て取れました。 唯『あずにゃん・・・』 梓『唯先輩・・・』 唯『本当にありがとうね。部活のときは、毎日毎日おしゃべりばかりで練習もろくにしてなくて・・・。そこは申し訳なかったなって思うよ』 梓『いえ・・・そんなことないです・・・。ティータイムも必要な時間だってわかりましたから・・・』 唯『今日まで・・・本当にありがとう・・・。大好きだよ・・・あずにゃん・・・』 梓『唯先輩・・・?』 唯先輩が私の腰に手を回すけど、触られた感覚がないことに違和感を感じました。 律『唯・・・お前・・・』 唯『あ・・・』 梓『唯先輩・・・!?』 唯先輩の言っていた、「限界」という言葉の意味がわかった瞬間でもありました。 律『言ってたこと・・・本当だったみたいだな・・・』 唯『うん・・・』 梓『唯せんぱい・・・』 必死に唯先輩に手を伸ばす。けど、唯先輩の体に触れることはできませんでした。 唯『もう行かなくちゃ・・・。本当は、一人でここに来る予定だったんだけど、この際気にしないよ』 律『ああ・・・』 唯『今日まで、本当にありがとう・・・』 梓『唯先輩・・・』 唯『"さようなら"』 そう言い残して、崖へと走りだす唯先輩。 梓『・・・!』 それを追うかのように走りだす私。崖の下を見ると、唯先輩は手を広げ、風になるように落ちていきました。そして、何も音を立てることなく、その華麗な姿は消えました。 数日後。むかえた11月27日。時刻は正午。時間があるなと思った私は、唯先輩の家へと向かいました。 ピンポーン 憂「は~い。あ、梓ちゃん」 梓「ついつい来ちゃった」 憂「いいよ~。上がって~」 梓「お邪魔します」 憂の部屋へと行く途中。ふと目に留まったものがありました。 梓「これ・・・」 唯先輩の部屋でした。 憂「部屋にいるからね」 梓「あ、うん・・・」 部屋に入る。そこには、なんら変化の無い唯先輩の部屋がありました。机の上には、唯先輩の写真が飾られていました。 梓「憂・・・。憂もやっぱり悲しいんだね・・・当たり前だけど」 あれほど仲の良かった姉妹なんだ、寂しくないわけがない・・・。でも、姉がこの世界の人間じゃないということは、必然的に憂たちもこの世界の人間ではないんじゃないかと思い始めました。 でも、憂が消えそうになってるとかそういうことはありませんでした。いつも通りに接してくれていました。これってどういうことだろう・・・。 梓「あれ・・・」 机の引き出しに、紙が挟まっていることに気づき、引き出しを開けました。中には手紙が入っていました。 『あずにゃんへ』 梓「私宛・・・」 『突然、さようならしちゃってごめんね。私も本当はあずにゃんとお別れしたくなかったんだけど、 もうそろそろ限界みたいなんだよね。本当にごめんなさい。 でも、お互いがお互いを信じあっていれば、きっとまたいつか会えると私は信じているよ。 私の世界のことは言えないんだ。ごめんね。 憂のことだけど、憂はこの世界の人間だから、私みたいにお別れするなんてことはないから、 そこは安心していいよ。 じゃあ、そろそろ限界だから・・・。ごめんなさい。そして、ありがとう。 平沢 唯』 梓「唯先輩・・・」 唯先輩は私があの日、一緒に来たいと言い出すということを予想していたんでしょうか。 梓「お互いがお互いを信じあっていれば、またいつか会えるって・・・。私が唯先輩を信じていないわけないじゃありませんか・・・」 突然お別れしちゃっても、私は唯先輩を信じ続ける。また会えると信じているから。 梓「そろそろ、憂の部屋に行かなくちゃ」 唯先輩の部屋を後にし、憂の部屋へ向かいました。 憂「もういいの?」 梓「うん。憂はわかってたの?唯先輩が手紙を書いてたこと」 憂「うん・・・。お姉ちゃんはがんばって隠してたけど、バレバレだったしね」 梓「それで、あえて引き出しをそのままにしたんだ」 憂「うん。手紙を見てみて、読んだときは、悲しくて泣いちゃったけど、きっと梓ちゃんへの最後のメッセージなんだなと思って、分かりやすいように戻したんだ」 梓「憂は唯先輩がここの人間じゃないって知ってたの?」 憂「初めから知ってたわけじゃないけどね・・・。私が物心付いたときには既にいたけど」 梓「知ったのはいつ?」 憂「そうだね・・・。私が中学入るかくらいかな」 梓「そっか・・・。あれ、てことは唯先輩と憂って本当の姉妹ってことじゃないのかな?」 憂「この世界で生まれて、でもすぐに別世界へ行くことになったらしいよ。お姉ちゃんが言うには」 梓「生まれはここだけど、育ちは別の世界ってことか・・・」 憂「そうだね、だから、この世界の人間じゃないっていうのも間違ってないんだよ」 梓「また会いたいな・・・」 憂「私だって会いたいよ・・・。寂しいもん・・・」 梓「そうだよね・・・」 人だろうが物だろうが平等に愛を注ぐ。それが平沢唯という人の特徴であり、愛されてる理由なんです。 憂「何かわかったら連絡するね。梓ちゃんもよろしくね」 梓「うん。何かわかったら連絡するよ」 時刻は午後1時半。まだまだ時間あるなぁ・・・。 平沢家を後にした私は家へ戻り、どうすればいいかを考えていました。でも、これといって考えは思い浮かばないまま、時が経ち、午後5時半。 梓「そろそろ行かなくちゃ・・・」 駅前に行くと、ムギ先輩が来ていました。 紬「こんばんわ、梓ちゃん」 梓「こんばんわです。ムギ先輩」 紬「梓ちゃん、早いのね~」 梓「そういうムギ先輩こそ。私がここに来る前にいたじゃないですか」 紬「だって、楽しみなんだもん~♪」 梓「なるほど・・・」 こういう集まりごとが一番好きな人でしたね・・・。 そして、しばらくして、澪先輩と律先輩がやってきました。 澪「お、二人とも早いな」 律「もう少しゆっくりでよかったのに」 紬「楽しみなんだもん~♪」 梓「そういうことらしいです」 律「まあ、ムギらしいっちゃあらしいけどな」 澪「まあ・・・確かにな」 律「じゃあ、行くか」 梓「はい!」 「ひっく・・・・・・。うう・・・・」 誰かの泣く声が聞こえる・・・。泣いてるのは誰なの・・・? 「お願いだからぁ・・・・」 お願い?泣くほどのお願いってなんだろう・・・。 「帰ってきてぇ・・・」 誰かを探しているのかな・・・。きっと、大切な人がいなくなっちゃったんだね。 そろそろ眠くなってきちゃったかな・・・。暇だし、寝ちゃおうっと・・・。 駅前で集まってから、新しくオープンしたイタリアンレストランへ行き、そこで食事をすることになりました。 律「フルジャンボピザ・・・。なんだこれ」 澪「さぁ・・・大きさに挑戦でもしてるんだろ」 紬「説明には、普通のピザの2倍の大きさと書いてあるわ」 梓「テーブルに乗せられるんですか・・・。それ」 律「まあ・・・頼んでみようぜ。他にはなんかいるか?」 澪「とりあえず、フレッシュサラダを」 紬「美味しそうね~♪」 律「じゃあ、それを・・・。ってサイズもあんのか」 梓「ミニからラージまでありますね」 澪「ミニ、ノーマル、ラージの3つだな」 紬「迷わずラージを選択!」 律「まあ・・・人数もいるし、デカイくらいがいいかもな・・・。後はドリバでいいか?」 澪「私は構わない。満腹じゃなかったら追加すればいいしな」 律「まあな」 紬「すいませ~ん」ピンポーン 店員「はい。ただいま参ります」 梓「フレッシュサラダのラージサイズを1つと」 店員「フレッシュサラダ、ラージを1つ」 澪「フルジャンボピザを1つ」 店員「フルジャンボピザを1つ。(キレイな人だな~)」 律「ドリンクバーを4つ」 店員「ドリンクバーを4つ。(眩しい!!)」 紬「以上で~す」 店員「では、ご注文を繰り返していただきます。フルジャンボピザを1つと、フレッシュサラダのラージを1つ。ドリンクバーを4つ。以上でよろしいでしょうか」 澪「はい」 店員「では、少々お待ちくださいませ」 約15分経過― 店員「では、ごゆっくりどうぞ」 律「・・・・・・」 澪「・・・・・・」 梓「・・・・・・」 紬「・・・・・・」 律「こ、これは・・・」 澪「ああ・・・。こいつは・・・」 梓「ええ・・・」 紬「そうね・・・」 律「想像をはるかに超えるでかさだ・・・」 澪「4人とはいえ、平気だろうか」 紬「へ、平気よ。うん」 梓「と、とにかく食べましょうか」 律「そうだな。全てはそこからだ・・・。で、では・・・」 みんな「「「「いただきます!!」」」」 最初は良いペースで食べていました。でも、時間が経つにつれ・・・。 律「なあ・・・」 澪「言うな・・・。何も言うな・・・」 律「一言だけ言いたいんだ」 紬「ストップよ、りっちゃん。食べ終わるまでが戦いよ・・・」 律「いや、でもさ・・・」 梓「何も言わず、黙々と食べていればいいんですよ・・・」 律「・・・お前ら、あたしと同じこと考えているだろ」 律以外「「「・・・!?」」」 澪「な・・・」 紬「う・・・」 梓「なぜそれを・・・」 澪「お前には超能力が使えるのか!?」 律「アホか。こんな窮地に立たされたら誰でも思うことだよ」 梓「あげくに、ここは残したらg×10円取るそうですよ」 律「それだけは回避しなくてはいけないんだ・・・」 澪「今月はギリギリだもんな」 律「ああ・・・。それだけはなんとしても避けるんだ!!」 あ、澪先輩と律先輩は同じ家で暮らしていますよ。そして、今更ですが、私達はHTTとしてメジャーデビューを一応しています。 紬「ラストスパートよ、りっちゃん!!」 律「おう!って、お前らもな」 澪「も、もももも勿論分かってるさ~。あははは~」 律「わかりやすっ。あたしに任せる気満々だったろ」 澪「ぎくっ!!や、やっぱりお前は超能力者だな!」 梓(澪先輩がボケになってる・・・) 律「んなわけあるか~!お前は分かりやすすぎるだけだ!」 梓「夫婦漫才してないで食べますよ~」 律澪「誰が夫婦だっ!」 梓「ぴったり揃ってるじゃないですか・・・」 律澪「そんなことないぞ?」 紬「私も聞いたわよ、梓ちゃん・・・」 梓「はい・・・。ムギ先輩・・・」 律「なん・・・」 澪「だと・・・」 そんなこんなであれから20分かけてようやく完食。しかし、しばらく動けなかった私達でした。 律「第二波来るぞ!!」 紬「なんですって!?」 店員「お、お待たせしました。こちら特大ケーキになります。(テンション高いな~・・・)」 律「・・・」 梓「・・・」 澪「一つ言っていいか?」 律「しっ!あえて何も言うな!!」 梓「・・・・・・」 澪「なぜ、特大頼んだし」 律「ぐはっ!!!」 紬「りっちゃん!!」 律「だ、だから言うなと・・・」ガク 紬「りっちゃあああああん!!!」 澪「・・・そろそろいいか?」 律「エエ、イイデストモ」 梓「まあ、今日は一応誕生会ですし・・・」(ゴト/録画 澪「い、いきなり撮るのか!?」 律「まあ、いいじゃん~。そんなもだって」 紬「じゃあ、一人ずつ唯ちゃんへ一言!」 澪「えっと・・・。何ていったらいいかな・・・。は、早く帰って来いよ?みんな唯のこと待ってるからさ・・・」 律「次はあたしだな。お~っす、唯。唯がいないとやはり、HTTも盛り上がらないってわけだ。唯がいて、初めてHTTなんだぜ。早く帰って来いよな!」 紬「次は私ね!唯ちゃん、久しぶりね~。元気してるかしら~?りっちゃんと被っちゃうけど、唯ちゃんがいないとHTTにならないのよ・・・。だから、早く帰ってきてね。みんな、唯ちゃんのこと大好きだからね♪」 律「最後は梓だな!期待してるぜ!!」 梓「ハードル上げないでください!えっと・・・お久しぶりです、唯先輩。やっぱり私・・・唯先輩がいないとダメみたいです・・・。早く戻ってきてください・・・。信じて待ってますから・・・」 思わず、涙目になりそうなのを堪えました。 律「ふう・・・」(停止 澪「今年も良いのが取れたな」 紬「そうね・・・」 梓「律先輩、動画編集お願いします」 律「おう!任せとけ!!」 紬「・・・そろそろ行く?」 澪「そうだな・・・。そろそろ出よう」 梓「そうですね」 お会計を済ませ、駅前へ再び集合しました。 律「じゃあ、今日はここで解散かな」 澪「すごい満腹だ・・・」 紬「私も・・・」 梓「それはみんな一緒です・・・」 律「じゃあ、お疲れ~。あ、澪~先に帰っててくれ」 澪「なんでだ?どこか寄るなら付いていくぞ?」 律「いいよ。時間かかるから。ということで先に家に帰っててくれ~」 小走りで掛けてく律先輩。すると、携帯にメールが来ました。 『あの山に行ってくる。梓も行くよな?』 梓「わかってらっしゃる・・・」 私もあの山に行くことにしました。 ふもとに着くと、律先輩が立っていました。 律「よう、遅かったな」 梓「律先輩・・・。どうしてここに?」 律「ちょっと気になってな」 梓「はあ・・・」 律「頂上へ行けば、何かわかるだろ」 梓「まあ・・・とりあえず行ってみましょうか」 登ること10分。頂上に着きました。 律「・・・・・・」 梓「・・・・・・」 律「なあ、梓」 梓「なんですか?」 律「集合時間までの間、何してたか教えてくれないか?」 梓「えっと・・・憂の家へ行って・・・」 律「うん」 梓「そこなら、唯先輩に関する何かがわかるかもしれないということで、唯先輩の部屋を探してみたんですよ」 律「それで?」 梓「手紙が見つかりましてね」 律「どんな?」 梓「これです」 私はあの手紙を律先輩に渡しました。 律「なるほど・・・。お互いがお互いを・・・・ねえ」 梓「私はもちろん、信じています・・・。唯先輩とまた会えるって・・・」 律「じゃあ、もしも、それが叶わないことだったらどうする?」 梓「それは・・・」 律「無論、お前を追い込んだりしようなんて思ってない。本気度を確かめてるだけだ」 梓「叶わないこと・・・だったら・・・」 唯先輩と会える。それがもし、叶わないことだったら・・・。言い換えれば、唯先輩と二度と会うことができなくなったら・・・。 唯『"さようなら"』 あの言葉が重くのしかかる。どんな思いになるか、想像もしたくありませんでした。 梓「いや・・・」 律「ん?」 梓「そんなの・・・そんなのいやぁ・・・」 思わず泣き出してしまう私。 律「あ、梓!?済まない!変なこと聞いた!!」 梓「いえ・・・そういうことじゃなくて・・・。もし、一生会えなくなったらと想像しただけで・・・」 律「ごめんな・・・」 梓「謝らないでください・・・。律先輩のせいじゃありませんから・・・」 律「戻ってきてほしいと思ってるけど、やっぱり・・・」 梓「いや・・・」 律「ああ・・・。あたしもイヤだよ・・」 律先輩が涙を堪えているのが見て取れました。 梓「いやだ・・・いやだよぉ・・・」 律「梓・・・」 梓「ひっく・・・うう・・・」 涙が止まる気配を見せません。唯先輩との思い出が頭に蘇りました。 新歓ライブの演奏を見て、感激し、軽音部に入部したこと。ネコミミを付けられ、「あずにゃん」というあだ名を貰ったこと。 唯『あ~ずにゃん♪』 部活のたびに抱きついてきた唯先輩。天使のような笑顔を見せてくれた唯先輩。 最初のころは、まったく練習せず、なんで感激したんだろうと思うこともあったけれど、他のバンドになくて、先輩たちの演奏にあることがわかったから。 それは、演奏中も天使のような笑顔を絶やさず、楽しそうに演奏する唯先輩たち。私が感激した部分はここだったのかもしれない。 唯『ふわふわタイム!』律『ワン、ツー!!』 放課後ティータイムの始まりの曲。ふわふわ時間(タイム) 澪先輩が作曲した可愛い曲。初めて弾いたときは、思わず涙が出そうになったことを覚えています。 他にも、2度の合宿、ライブハウス、クリスマス、初詣、初日の出。 そうだ、初日の出もここで見たっけ・・・。 ライブハウスでもふわふわを演奏したっけな・・・。 夏休みに行った夏祭り。涙を流しそうになった学園祭。とうとう涙を流してしまった卒業式。その後の演奏。 唯『これはね、私達が1年生のときの写真だよ』 ぎこちない笑顔でダブルピースする唯先輩。 唯『これをあげよう~』 花びら5枚。まるで私達のようにくっついていました。 そして、あの曲。「天使にふれたよ!」私のために作ってくれた曲だと言っていました。 他にも語りきれないくらい、思い出がありました。 梓「お願いだからぁ・・・」 蘇る思い出。それと同時に出てくる涙。 梓「帰ってきてよぉ・・・」 律「・・・・・・」 梓「唯せんぱぁい・・・」 律「・・・ちょっとこの先に行ってくる。落ち着いたら来るんだぞ」 梓「はい・・・」 しばらくして、ようやく冷静になれたと思い、律先輩のもとへ向かいました。 律「来たか」 梓「はい・・・。どうしたんですか?」 律「下を見てみ」 律先輩に言われるがまま、私は下を覗く。 梓「これ・・・」 なんと、下が光っているのです。 律「唯が消えたときとまったく同じ状況だよな」 梓「はい・・・。まさか・・・」 律梓「うわっ!!!」 突然の眩しい光に目がくらみ、しばらく視界がはっきりしません。 律「大丈夫か?梓」 梓「はい・・。なんとか・・・」 律「・・・」 梓「視界が・・・」 律「まだチカチカするな・・・」 数分して、ようやくはっきりしてくる視界。そこで最初に目にしたものに、私は驚きを隠せませんでした。 梓「あ・・・・・!」 律「なんか見えたのか?」チカチカ 梓「人です、人が倒れているんです!」 律「マジか!人を呼んでこなくちゃ!って、あたしは今見えないんだった~!」チカチカ ?「・・・・・・」 梓「あの・・・大丈夫ですか?」 梓「あの・・・大丈夫ですか?」 意識がちょっとはっきりしてきたかな・・・。声が聞こえる・・。この声は・・・。 律「さて、まずは意識があるか確認しなくちゃな」チカチカ ?「う・・・ん・・・・」 律「あ、起きた」チカチカ 梓「あ・・・!!」 ?「・・・」 意識がはっきりし、周囲を確認する。 梓「あ、ああ・・・」 とても見覚えのある場所。ここが全ての始まりであり、終わりだったのかな。 梓「ゆ、ゆゆ・・・」 律「ゆ?」チカチカ 梓「唯せんぱ~い!!!!!!!」ダッ 唯「わぁ!!」 やっぱり・・・この声はあずにゃんだったんだね。 梓「本物・・・ですよね?」 唯「多分ね」 身体を離して確認させてみる。 唯「どうかな?」 梓「おかえりなさい・・・」ギュ 唯「ただいま・・・」 律「あ~・・・ようやくはっきりしてきた」 唯「あ、りっちゃん」 律「って、唯!?!?お前・・・いつの間に・・・・」 唯「えへへ~。帰ってきちゃった」 律「帰ってきちゃったじゃないだろ・・・。まあ、いいとしよう。・・・おかえり、唯」 唯「うん。ただいま。りっちゃん」 律「お前がいない間、HTTは大変だったんだぞ~。憂ちゃんがお前の代わりにライブ出たりしたし」 唯「うん・・・。みんなに心配かけたよね」 律「なんで、戻らなくちゃいけなくなったんだ?」 唯「向こうでいろいろあってね」 律「なるほどな。じゃあ、あたしはそろそろ帰るわ。梓には帰ったからと言っておいてくれ」 唯「うん、わかった」 背を向け、去っていくりっちゃん。 梓「唯先輩・・・」 唯「あずにゃん・・・」 梓「どうして、かえって来れたんですか・・・?」 唯「そうだね・・・。バラバラになっちゃった私の思いを、あずにゃんが思い出という形で合わせてくれたのかもね」 梓「合宿とか学園ライブとかですか?」 唯「うん」 梓「えっと・・。また・・・消えたりするんですか・・・?」 唯「私があずにゃんのことを、あずにゃんが私のことを」 梓「・・・」 唯「大切に思っていれば、平気なんじゃないかな」 梓「何を言ってるんですか・・・」 唯「・・・」 梓「大切に思ってないわけないじゃありませんか・・・」 唯「あずにゃんなら、そう言ってくれると信じてたよ・・・。ありがとうね」 梓「こちらこそ・・・ありがとうございます・・・」 ようやく果たせた再開。お互いがお互いを大切に思う気持ち。これがやはり一番大切なんだね。 またあずにゃんから教わっちゃったね。これからもよろしくね。あずにゃん♪
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純「……」 純「……」 純「……」 純「あっ…」 純「…まぁいっか」 純「……」 純「……」 純「暇だ…」 純「 2でもしよっと」 ※腹筋 純「よし、夏に向けて余計な脂肪を落とさないとね!」 純「もう夏だけど」 純「よいしょっと…」 純「いっち、に…」 純「いっち、に…」 純「いっち……」 純「……ふぅ、休憩でいいよね」 純「あ~疲れた…喉かわいた…」 純「こんな時は 6飲みたくなっちゃうなぁ…」 純「よーし、 6買いにコンビニに行こう」 ※ウイダー コンビニ ガーッ 紬「いらっしゃいませ~」 純「わっ!つ、紬先輩?!」 紬「あら~?あなたは確か憂ちゃんのお友達の…」 純「純です、鈴木純」 紬「あぁっ、そうだったわね」 純「あの、紬先輩はこんな所で何を…?」 紬「アルバイトよ」 純「せ、先輩がアルバイト?!」 紬「変かしら?」 純「いえ…」 純(紬先輩って確かお嬢様だったんじゃ……なんでアルバイトを?) 紬「ところで、何をお求めかしら?」 純「あっ…ウイダーゼリーなんですけど…」 紬「あぁ、あれね!今持ってくるわ」タタッ 純「いや、別に……行っちゃった」 純「わざわざ先輩が行かなくてもいいのに」 純「変わった人だな~…」 純「……まぁ軽音部は変わった人たちの集まりだからしょうがないか」 紬「お待たせ~、持ってきたわよ」 純「あっ、どうも……って」 純「これウイダーゼリーじゃなくて 19じゃないですか!?」 ※憂 紬「あら?でも憂だ、って…」 紬「ちゃとゼリーも持ってるわよ?」 純「そんなベタなボケを!?」 純(やっぱり軽音部はおかしい…) 憂「あ、あはは…こんにちは純ちゃん」 純「憂…まさかこんな所で会えるなんて」 憂「ちょっと買い物にね」 憂「そうだ、せっかく会ったんだし 25に行ってこのゼリー食べない?」 純「うん?まぁいいけど…」 憂「じゃあ紬さん、このゼリーください」 紬「まいどありがとうございました~」 ※和 生徒会室 憂「美味しいね、純ちゃん」 純「うん、美味しいね」 和「……あなた達、なにやってるの?」 純「ゼリー食べてます」 憂「はい、和さんの」 和「あ、ありがとう憂……じゃなくて」 和「何で生徒会室で?」 憂「和さん、休みの日も生徒会の仕事で大変だろうからお土産をって思って」 和「あっ…そうだったの」 和「わざわざごめんね」 和「そうだ、今軽音部が練習中だから覗いていったら?」 憂「うん、そうしてみます」 憂「じゃあ行こっか?純ちゃん」 純「軽音部か~…そういえば久しぶりだなぁ」 純「梓もいるんだよね?」 憂「多分そうだと思う」 純「そっか、じゃあ行こっ」 音楽室 ガラッ 憂「失礼しまーす」 唯「あっ、憂!」 梓「純も?」 純「おっす、梓」 律「どうしたんだ?急に」 憂「ちょっと見学しに…」 紬「あら、いらっしゃい二人とも」 純「あれ?さっきアルバイトしてたんじゃ…?」 紬「うふふ」 純(うふふって…) 澪「まぁ、ゆっくりしていってくれ」 憂「はい、ありがとうございます」 唯「よーし、早速お茶だね!」 梓「むぅ~…練習…」プクー 澪「いいじゃないか、せっかく来てくれたんだし」 憂「ごめんね、梓ちゃん」 純(一応梓は部活内で真面目なのか…) 純(変人に染まらなくてよかったね、梓) 梓「…なに?純」 純「んーん、べつに」 律「ムギ!さっそくお菓子の準備だ!」 紬「はい!」 唯「今日は何だろな~」 紬「今日のお菓子は 48よ~」 ※お前の首だ 紬「はい、唯ちゃんの首で型をとったゼリーよ~」 純「でかっ!?」 純(ていうかゼリーさっき食べたし…) 唯「これ作るの大変だったよね~」 紬「うふふ、そうね」 純(ていうか何で唯先輩の首?) 憂「お、お姉ちゃんの首…」ハァハァ 純(あっ、喜んでる人が一人いた) 紬「うふふっ」 律「うん、美味いな唯の首は」 紬「ほんと、唯ちゃんの首は絶品だわ」 唯「いや~、照れますな~///」 澪「そういう会話やめてくれ…」 澪「食欲が…」 律「次は澪の首を食べたいな~」ニヤニヤ 澪「ひぃぃっ!?」ビクッ 純「…ほんと面白い人たちだね」 梓「うぅ…ふ、普段は真面目だよ?」 憂「お姉ちゃんの首…ハァハァ」 唯「そうだ、せっかく純ちゃんが来たんだし」 唯「純ちゃんのこと色々知りたいな~」 純「え?私ですか?」 唯「うん!」 紬「私も興味あるわ~」 純「な、なんか恥ずかしい…///」 唯「じゃあ、まずは…趣味はなに?」 純「えーっと、そうですねぇ…」 純「趣味は… 65です」 ※オナニー 梓「ぶっ?!」 澪「ッ!?///」 律「o、oh……」 紬「あら~♪」 純「え?みなさんやらないんですか?」 唯「おなにぃ?」 憂「今度教えてあげるね、お姉ちゃん」 純「律先輩だってやりますよね?」 律「えっ!?い、いや~…そのぉ…///」 純「澪先輩は?」 澪「!?」カアァァ 純「えーっ、じゃあ紬先輩はどうですか?」 紬「うふふ」 純「梓は?」 梓「や、やるわけない…じゃん…///」 純「憂は?」 憂「毎日やってるよ」 純「だよね!やるよね?」 憂「うん!」 唯「いいな~、私もやってみたい」 憂「じゃあ今夜教えてあげるね、お姉ちゃん」 純「やっぱりやるよね、オナニーぐらい」 澪「ッ///」 純「私は普段ローターとかなんだけど、憂は何使ってる?」 憂「そうだねぇ…」 憂「(お姉ちゃんが使った)シャープや(お姉ちゃんが使った)お箸とかかな」 純「へ、へぇ…」 純(レベル高っ!?) 純「私さぁ、最近やり過ぎちゃってアソコが痛く…」 律「ス、ストップストップ!」 律「そろそろ話題を変えよう、な?」 純「あっ、そうですか?」 唯「じゃあ次は…好きな人は?」 律(お、おい!なんで急にそんな…) 純「えっと… 83」 ※むぎ 紬「!?」 梓「えぇっ?!」 紬「あ、あら~///」 律(マジかよ…) 澪「」プシュ~ 純「だ、駄目ですか…?」 紬「えっと…う~ん…」 純「ずっと…ずっと憧れてたんです!///」 梓(純…なんて大胆な子なの!?」 紬「そうね~…///」 純「身分が違うのは分かってるんですが…」 純「もしよかったらお付き合いを……///」 律(うわっ!?あまあまだっ!!) 紬「じゃ、じゃあ…… 89」 ※憂とセックス 純「えっ…」 紬「憂ちゃんとセックスしてくれたらいいわよ」 紬(二人が交わってる所が見たいわ~♪) 純「う、憂!」 憂「ごめん、それ無理」 純「えぇっ!?」 憂(だって今日お姉ちゃんとするんだもん) 梓(お、大人の会話だ…///) 唯「じゃあ次は~…」 ♪♪♪ 純「あっ、すいません…携帯のメールが」 純「あっ!?」 憂「どうしたの?」 純「携帯の電池切れちゃった…」 梓「充電器は?」 純「家…」 律「あっ、充電器なら私持ってるぞ」 純「えっ、本当ですか?」 律「ちょっと待ってろ…」 律「え~っと確か……あれ?」 律「おかしいな……えっと…」 律「あっれ~…」 律「確かここに…」 律「う~ん……しょうがない」 律「もうちょい待って」 ガチャッ 唯「りっちゃんどこ行くの?」 律「すぐ戻ってくる」 バタン 梓「律先輩、何するつもりでしょう?」 澪「さぁ?……まぁ律が戻って来るまで待とう」 唯「あっ、そうそうこの前ね…」 2
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がたがたがたっ、びしびしっ、がたがたがたっ 紬「これは、ちょっとどうなのかしら」 律「寝てる場合じゃないかもな。・・・澪、起きろ。おーい、澪」 ゆさゆさ 唯「あずにゃん、あずにゃん」 ゆさゆさ 梓「・・・おはようございます」 律「礼儀正しいな、おい」 澪「・・・ごめん。本当に寝ちゃってた」 律「いや、それは良いんだが。かなり風が強くなってきた。下手すると、これは・・・」 ガシャッ。バリッ、ガシャガシャッ。 澪「うわっ?」 律「やべ、本当に割れたっ」 梓「ギ、ギターが、飛んでっちゃいましたよっ」 唯「で、でも。こ、こにいたら危ないよね」 律「ああ。階段まで一旦出て、取りあえずはそこで待機するか」 紬「・・・澪ちゃんっ?」 律「ムギ、どうした?」 紬「澪ちゃんが、窓際にっ」 律「なにっ?・・・おい澪っ、戻れっ」 澪「駄目だっ。ギターが濡れるっ」 唯「澪ちゃんっ、危ないよっ。早く、戻って来てっ」 梓「澪先輩っ。ギターよりも、自分の事を心配して下さいっ」 澪「そんな事、出来る訳が・・・。それ程、濡れてないな」 梓「・・・先輩、ギターを投げて下さいっ」 澪「・・・落とせば壊れるぞっ」 梓「構いませんっ。先輩は、自分の事だけを考えて下さいっ」 澪「分かった・・・。えいっ」 唯「うわっと。・・・ムッタンキャッチッ」 澪「次、行くぞっ」 紬「ギー太も、キャッチッ」 梓「エリザベスもっ」 澪「後はドラムと……」 ガシャッ、バリバリッ、ガシャッ 澪「わっ?」 律「くっ、また割れたか。澪ーっ、早く戻ってこいっ」 澪「・・・律っ、ドラムは置いてくぞっ」 律「そんな事構うなっ。私はここにいるっ。だから、お前は戻ってこいっ」 澪「ああっ」 澪「くっ、風が強くて」 紬「澪ちゃん、急いでっ。また割れたら危ないわよっ」 澪「分かってる。分かってるけど、雨で前が」 ビューッ、ビュー、ビューッ 澪「うわっ」 律「ちっ」 ダダダッ 紬「りっちゃんっ?」 ガシャッ、ガシャッ、ガシャーッ 律「くっ」 澪「律っ」 律「構うなっ。走れっ」 澪「わ、分かったっ」 律「はぁ、はぁ、はぁ」 澪「わ、私をかばったから・・・」 律「気にすんな。ちょっと破片がかすめただけで・・・。くっ」 紬「りっちゃん、動かないで。・・・梓ちゃん、懐中電灯を」 梓「は、はい」 紬「膝の上が結構切れてるわね。それ程、深くはないみたいだけど」 澪「ごめん、ごめん。律」 律「だから、気にすんなって。それより、エリザベスが無事で良かったな」 澪「律・・・」 紬「何も無いけど、とにかく縛った方が良いわね」 澪「私のハンカチとリボンで」 律「おい、澪」 澪「律は黙ってろっ。・・・これでいいか、ムギ」 紬「多分、大丈夫だと思う。りっちゃん、きつくない?」 律「ああ、ありがとう。しかし、廊下に出てもあまり変わらないな」 紬「風のせいで、ドアが閉まらないのね」 澪「・・・生徒会室まで行こう。そうすれば消毒や包帯もあると思う」 律「でも私はちょっと・・・」 紬「大丈夫よ」 ひょいっ 律「おわっ」 律「おい、ムギ。大丈夫か?」 紬「全然平気よ♪ムギちゃんこそ、辛くない?」 律「いや。快適だけどさ」 紬「良かった♪」 澪「梓、懐中電灯を貸してくれ。私が前を歩く」 梓「は、はい」 律「大丈夫か?本当に真っ暗だぞ」 澪「そんな事言ってる場合じゃないだろ。梓、ムギと律の事見ててくれ」 梓「は、はい」 澪「階段濡れてるから、気を付けろ」 紬「了解」 梓「律先輩、痛くないですか」 律「だから少し切れただけだって」 梓「唯先輩も、大丈夫ですか」 唯「へ、平気だよ」 よろよろ 梓「ムッタンは自分で持ちますから。先輩は、ギー太とエリザベスをお願いします」 唯「ご、ごめん。本当、ムギちゃんはすごいねー」 紬「りっちゃんは軽いから♪」 律「照れるな、おい」 2F廊下 ざー、ざざー、ざー 梓「ここも、結構窓が割れてますね」 澪「ただ生徒会室へ行くには、ここを抜けるしかないんだよ。ムギ、大丈夫か」 紬「私は平気だけど、りっちゃんが」 律「今更濡れても気にしないさ」 澪「分かった。ムギ、悪いけど、出来るだけ急いでくれ」 紬「了解」 梓「ちょっと待って下さい」 たたたっ 澪「梓っ?」 紬「梓ちゃんっ」 梓「ムッタンで割れた所を押さえてますから、今の内に渡って下さい」 澪「悪い、梓・・・。ムギ」 紬「ええ。りっちゃん、行くわよ」 律「ああ。梓・・・、正直済まん」 梓「なんですか、それ」 くすっ 澪「どうにか渡れたか・・・。唯も早くっ」 唯「あ、うん。今行くよ。あずにゃんも早く、向こう側へ」 梓「唯先輩が渡ったら、すぐに行きます・・・。あれ?」 唯「あずにゃん、どうしたの?」 梓「いえ、その。あの。割れた窓を塞いでるギターが」 唯「うん」 梓「・・・ムッタンじゃなくて、ギー太でした」 唯「え?」 梓「ご、ごめんなさい。本当に、済みません。済みませんでしたっ」 唯「・・・あずにゃん」 梓「は、はい」 びくっ 唯「・・・ありがとう、あずにゃん♪」 きゅっ 梓「え」 唯「あずにゃんが窓を塞いでくれたから、ムギちゃんとりっちゃんは濡れずに渡れたんだよ」 梓「でも、ギー太が」 唯「大丈夫だよ。ギー太も、みんなを守れて嬉しいって言ってるしね」 梓「でも」 唯「ギー太がそう思ってるって事は、私もそう思ってるんだよ。あずにゃん、ありがとうって」 梓「・・・唯先輩っ」 きゅっ 唯「良かった、良かった」 きゅっ 2階・廊下 律「でもそれって、唯が間違えてギー太を渡したんじゃないのか?」 唯「・・・本当、風が強いねー。何も聞こえないよ」 律「この野郎。しかし生徒会室って、結構遠いな」 梓「暗いですし、ゆっくり進んでますからね」 紬「ごめんね、みんな。私がもっと早く歩ければ」 梓「そ、そんな事は全然。私こそ、勝手な事言って済みません」 律「正直済まん」 唯「りっちゃん、そればっかりだね」 梓「本当ですよ」 くすっ 紬「・・・」 2~1階・階段踊り場 澪「ちょっと休憩するか」 唯「そだね。雨も吹き込んでこないし、朝までここにいる?」 澪「唯達は濡れてるから、着替えるか体を乾かさないと」 梓「それに、律先輩の怪我もありますし」 律「私は全然平気だけどな。大体私よりも、ムギに聞かないと。・・・ムギ?」 紬「え?」 律「・・・ムギ。これって雨じゃなくて、汗だろ」 紬「私は、平気、だから」 にこ 律「そんな訳あるか。大体無理しすぎたんだよ。いくら何でも、ずっと私を背負って歩ける訳無いだろ」 紬「平気だって。りっちゃん、軽いから」 律「だからって、限度があるよ。・・・ここからは私も歩くから」 紬「りっちゃん。わがまま言わないで」 律「わがまま言ってるのはムギだろっ」 紬「りっちゃんっ」 梓「ふ、二人とも、落ち着いて下さい」 律「とにかく私は歩くからな。・・・っと」 よろっ 澪「律っ?」 唯「りっちゃん?」 律「は、はは。演技演技。ずっと背負われてたから、立ちくらみしただけだよ。全然平気だって。・・・くっ」 よろっ 紬「りっちゃん、背中に乗って」 律「平気だって言ってるだろ」 紬「りっちゃん」 律「だから平気だって・・・」 紬「りっちゃん、乗りなさいっ」 律「・・・正直、済まん」 ひょい 紬「りっちゃん、そればっかりね」 くす 律「たはは」 紬「うふふ♪」 梓「一時はどうなるかと思いましたが、本当に良かったです」 唯「私も変な汗かいちゃった」 澪「あと少しの辛抱だ。ムギ、律の事頼むぞ」 紬「任せて♪」 3
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2. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 17 04 52.90 ID CoQCq6FpO どうもっす 律「さて…そろそろ始めようか…」 律「今回の軽音部会議を」 唯「今日の議題は何ですかりっちゃん議長」 律「うむ…今回は 4 についてだ」 4. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 17 06 36.96 ID q/f/Kbv30 , -‐――-、 . / / \ _ , -‐_―-、 / | l ∧l ! | | ハ /彡ニ-―! `ヽ ! /、〃 l入 ! ! !/ハ´ -‐ ´ ̄ ! | |!ハ | | ハ!l`| l xミ_! | | Y´ __, V |! \ !|バfィヾ f ヾ!| | ! | | -‐ _,,z、! ! 厂 |ハ `´ , `´ | レ |! xz、 f -ll| ! ハ \ | .!、 _ ィ ト、! バ弋) `゛´|ハ_ | ゝ´ . /.| |> -- </ | |.|! f , _ _ fl!〉!‐┴-、 l ! ! レTハ、/! | !ハ |`丶 、__ , ´ ノ/ ’, ト、 | |〉/fフ!!、!〉! | | ヽ!.ゝ ノ| { /|ィ ∧ ! ?、ヽイ!|Y | | .レ `ヽハレ ´´o | ,∧ | ∧ V 、|| |」 | ! ∨ /o .|| o | / ∧ | .! V \/ .l!ゝ┴‐ / l ト \ / ハ / >┴、l ン ,´ ̄\ .∨ / !.| | ! ./ ト、 ! f _ ヾj-Vヶ‐ ⌒ 弋_ooV-< _/-ゝ‐- 、_/∨ ハ `ア i ヽ、 ヽY´ Y ヽ-∨ ハ / ハ トЧ ! \ ム .∨ 「ヽハ |、 /! ! / ` | \ \ ∨ .V |_」 l マヽ-- ´ハj´`、ー‐ ヽ. ト 、 ト) . .ヽ二 ! !V / . . . . . . . > 、. l\_/トハ丶、__ ノ \ . . . . |┘ !|__!、_>―---`〉 || ´ヽ | . . . . . . . .`>、 |`! 7. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 17 09 35.90 ID CoQCq6FpO 律「私と澪の関係についてだ」 梓「幼なじみですよね」 澪「意義アリ!!」 律「はい澪君」 澪「私達は幼なじみだ。しかしその一言で言い切れる関係とは言い難い」 律「ほう」 10. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 17 13 01.96 ID CoQCq6FpO 澪「私と律はもはや一心同体…お互いのことは何でもわかり、信じあい、助け合い…」 澪「時には傷つけあい、喧嘩をすることもあるけど…それでも私達の絆は絶対と言えよう」 澪「結論。律澪は至高」 律「なるほど」 16. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 17 19 12.30 ID CoQCq6FpO 律「反対意見をどうぞ」 梓「意義アリ!!」 紬「意義アリ!!」 律「はい梓君」 梓「先輩方はこの前喧嘩してませんでしたか?」 梓「たしか和先輩と澪先輩が仲良くしてたことに律先輩が嫉妬してましたよね」 澪「い、意義アリ!!」 律「どうぞ」 23. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 17 24 45.92 ID CoQCq6FpO 澪「先程も発言した通り、いくら超絶中野よい私達でも喧嘩くらいする。百年連れ添った夫婦でも離婚することはあるだろう?今熟年離婚はブームなんだぞ?」 梓「墓穴を掘りましたね澪先輩…」 澪「!?な、なんだと!?」 律「勝手に発言しないように」 梓「ふふ…すみません」 26. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 17 32 39.09 ID CoQCq6FpO 梓「議長。今の発言に異議アリです」 律「はい梓君」 梓「先程澪先輩は律先輩と一心同体、思っていることが全てわかる。おまけにスリーサイズまで熟知している…そうおっしゃいましたね?」 澪「だ、だったらなんなんだ!?」 梓「ならこの前の件はおかしなことになるんですよ。律先輩が澪先輩のことを本当にわかっているのなら…澪先輩と和先輩の中に邪な感情なんて抱かないはずです」 梓「つまり!澪先輩が律先輩のことをわかっているつもりでも!律先輩は澪先輩のことをわかっていない!」 澪「なんだって!?」 27. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 17 37 43.00 ID CoQCq6FpO 梓「更に言いますと」 澪「や、やめてくれ!!」 律「静粛にしてください」 梓「律先輩が澪先輩のことをわかっていないと見抜けていない澪先輩もまた」 梓「律先輩のことをわかっていなかったということになるのですよ」 梓「所詮、幼なじみ以上の絆なんて無かったのです」 澪「ぐ、ぐぁぁぁぁぁ!!」 30. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 17 50 24.64 ID CoQCq6FpO 紬「澪ちゃんは盲目になっちゃったのね…現実を見つめずに自分の中のりっちゃん像を作り上げて…」 唯「悲しいお話だったね…」 律「澪君。反論は?」 澪「うぅ…くっ…あ、ありません…」 律「では結論がでましたな。律澪は幼なじみ止まり!」 カンカン 32. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 18 01 47.88 ID CoQCq6FpO 律「では次の議題に移ります」 律「次は 34 について」 34. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 18 04 15.61 ID q/f/Kbv30 _ _ _ _ ´,ィ==ヽ ´ ヽ i |l ^"゙^゙l| l |_i」ハi_j」 ノw(i ゚ ロ゚ノiゞ | |(|l゚ -゚ノl| と」茆iつ | iと」茆iつ . く/_i_ゝ ノ_リく/_i_ゝ! し ノ し ノ 37. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 18 10 47.29 ID CoQCq6FpO 澪「待ってくれ!!」 律「?」 澪「さっき梓は私達は幼なじみ止まりの関係だと言ったよな」 梓「そうじゃないですか」 澪「だったら何故律は私と和の中に嫉妬したのか!!」 梓「!」 38. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 18 23 35.16 ID CoQCq6FpO 澪「律が私のことを想ってくれてるからだろう!?」 梓「……」 梓「…その通りですね…わかりました。撤回させてもらいます」 梓「律先輩は澪先輩のことが好きです」 澪「ぃよし!」 41. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 18 45 23.72 ID CoQCq6FpO 紬「澪ちゃんには諦めないことの大切さを教えられたわね…」 澪「みんなも現実に屈するな!理想を高く持ち、信じるんだ!扉は必ず自分の手で開いていける!」 律「では次の議題は 43 」 43. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 18 47 38.10 ID 8Q3l4n+UP ゴキブリ 45. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 18 53 18.97 ID CoQCq6FpO 律「ゴキブリについて」 梓「……」 唯「……」 澪「……」 紬「ゴキブリ?部室に出たことあったかしら?」 47. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 19 07 08.73 ID CoQCq6FpO 律「何か意見はないか」 梓「…皆さん意見は出ないようですし、この議題は終了でいいんじゃないですか?」 唯「…あずにゃんはこの話題を早く終わらせたいみたいだね」 梓「別にそんなんじゃないですけど…」 紬(梓ちゃんどうしたのかしら?この議題は続けるべき?止めるべき?) 49 49. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 19 11 11.75 ID myBCMDR10 止める 52. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 19 15 36.85 ID CoQCq6FpO 紬(そうよね…梓ちゃんなんだか涙目になってるし…なんだかギスギスしてるもの) 紬「異議アリ!!」 澪「異議アリ!!」 律「澪君どうぞ」 澪「も、もう止めないか?この話題…」 唯「……そうだね」 梓「…はい」 律「え?結論決めないと」 53. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 19 23 22.56 ID CoQCq6FpO 唯「ゴキブリなんて私達には全く関係ないよ!」 澪「そ、そうだ!私ゴキブリなんて見たことないし!」 紬「私一度見てみたいな」 梓「…ですよね。なんかありがとうございます、皆さん」 律「えーみんなの意見をまとめると、ゴキブリは私達と関係ない、しかし、ゴキブリは見てみたい」 律「結論これでいい?」 紬「うん!」 55. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 19 34 16.20 ID CoQCq6FpO 律「では次の議題だ」 唯「あっ私ご飯食べてくるよ」 梓「私はちょっとトイレに…」 澪「お風呂入ってくるから待っててくれ」 律「それはしょうがないな。じゃあ私もちょっと出掛けてくる」 紬「あ!私も一緒に…」 律「ムギ留守番よろしくなー」 ガチャン 紬「しょんぼり」 60. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 20 17 02.57 ID CoQCq6FpO 律「おいっす」ガチャ 紬「おいーっす!りっちゃんおいーっす!」 律「お留守番ありがとうなムギ」 紬「いいのよ。夢だったから」 梓「すみません遅れました」ガチャ 澪「待たせちゃってごめんな」ガチャ 唯「よーし!もう休まず議論するよー!」ガチャ 律「みんな揃ったな。次の議題はこれだ 61 」 61. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 20 19 06.91 ID LXHtnODL0 44 ※澪が律の性奴隷な件 65. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 20 27 55.88 ID CoQCq6FpO 律「澪が私の性奴隷な件についてだ」 梓「あ…」 唯「…奴隷…?」 紬「はえ?」 澪「な、なななにばらしてんだよー!!」 67. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 20 33 19.76 ID CoQCq6FpO 紬「せいどれい?ってなに?」 梓「えっちな召し使いってことですよ」 紬「まぁ!?」 澪「りりり律!?おまままなんてことを…」 律「何か意見はないか?」 澪「何の意見だー!!」 70. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 20 43 00.23 ID CoQCq6FpO 唯「詳しく教えてほしいです議長!」 律「議論に必要とあれば話さないこともないが」 澪「だから何を議論するんだよ!?言うなよ!?絶対言うなよ!?」 紬「えっちな召し使いだったら私の家にもいるわよ?」 梓「えっ」 72. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 20 51 59.21 ID CoQCq6FpO 律「で、話したほうがいいの?多数決で決めるよ」 澪「NOだNO!みんなNOと言える人間だよな!?」 唯「 72 」 梓「 73 」 紬「 74 」 73. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 20 52 48.45 ID DsS2YMGRO むぎゅうのことだから百合限定に決まってる 74. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 20 53 10.35 ID 5PtTrCYu0 YES!YES!YES! 78. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/17(火) 21 02 00.41 ID CoQCq6FpO 梓「むぎゅうのことだから百合限定に決まってる」 紬「YES!YES!YES!」 唯「ムギちゃん…そうなんだ…」 律「なんかムギが聞きたいみたいだから話すわ」 澪「いやぁぁぁぁぁ!!」 2
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99 : ◆PzD3ftv2xo :2010/01/16(土) 18 07 27.00 ID .RRCu.AO 唯「りっちゃ~ん。 なんか変なの拾った」 律「拾ったってお前、小学生……!」 律は驚愕した。唯が手にしていたのは、自分が持っているものとそっくりなデッキケースだったのだ。 律「お前、それ……どこで拾ったんだよ?」 唯「音楽室の前に落っこちてたの。 誰のかなあ?」 よく見ると、デッキケースには蝙蝠を模した紋章が描かれている。 律(コレってまさか、あの時あたしを助けてくれた人の? って事は、持ち主は学校関係者!) 律「よーし唯! それはあたしが預かっておこう!」 唯「えっ? 先生に渡した方が……」 律「おもちゃだと思われて没収されちゃったら、持ち主の手元に戻る確率低いだろ?」 唯「なるほど~。りっちゃん頭いい!」 律「へへ~ん。それ程でもあるぜ!」 律(それに、持ち主が誰なのか確認出来るからな) 放課後。音楽室の前に、何かを探す人影がある。 ?「ここにもない……。一体どこで落としたんだろう?」 律「探し物はコレですか?」 そう言いながら、カードケースを取り出してその人物に見せる律。 100 :◆PzD3ftv2xo :2010/01/16(土) 18 10 42.69 ID .RRCu.AO ?「えっ?」 振り返ったその人物を見て、律はまた驚愕する。 律「澪……!」 澪「律……! どこで、拾ったんだ?」 律「唯が昼休みに拾って来たのを預かってたんだ。てか、あの時の、澪だったんだな……」 澪「えっ? じゃあ、あの時龍から助けた人って……!」 律「やっぱりそうか……ありがとな、澪」 澪「べっ別に。当然の事だろ?」 律「澪はいつ手に入れたんだ? このデッキケース」 澪「一週間くらい前かな。鏡から出て来た化け物に、鏡の世界に連れて行かれてさ。その時私を助けてくれた人が持ってたものなんだ」 律「その人はどうなったんだ?」 澪「化け物と相討ちになった。私にコレを託して、死んじゃったの……」 律「そっか。なんか、わりー事聞いちまったな」 澪「律が謝る事……この感じ、また化け物が!」 澪が言ったすぐ後、階下から悲鳴が響く。澪と律は、悲鳴の聞こえた場所に急いで駆けつける。 するとそこの窓ガラスの中では、化け物に鏡の世界に引きずり込まれたのであろう生徒が、化け物に喰われそうになっていた! 101 : ◆PzD3ftv2xo :2010/01/16(土) 18 13 40.05 ID .RRCu.AO 澪は鏡の前にデッキケースを構える。すると、鏡から現れたベルトが澪の腰に装着される。 澪「変身!」 そう叫んでベルトにデッキケースをセットする澪。すると、律があの時見た人物に澪が変身する。 澪が鏡に飛び込むのを見て、律も慌てて変身して後を追う。 律が到着すると、既に澪は交戦中だった。が、少しずつ澪が劣勢に立たされていく。 律「よ~し、あたしも……どわあ!」 加勢しようとした律の前に、あの時の龍が再び現れる。 律「チクショー、こんな時に!」 しかし、龍に襲って来る気配はない。むしろ何かを待っているかのように律を見つめている。 律「とにかくカードを……なんだコレ?」 律が引き抜いたカードに絵柄はなく、ただ『SEAL』と書かれているだけだった。 律(もしかして、コレを使えばアイツの力が借りられる様になるのかも。だったら、やるっきゃねえ!) 律は龍にカードを向ける。カードに龍の絵柄が浮かび上がり、律にその力が宿る。 その姿は、龍の力のおかげか、それまでの黒から赤に染まっていった。 102 : ◆PzD3ftv2xo :2010/01/16(土) 18 16 26.38 ID .RRCu.AO 律「っしゃあ! 今行くぜ澪!」 律はカードを引き抜き、龍の頭に変化したバイザーに装填する。 『ソードベント』 律「だりゃあ!」 空から飛んできた龍の尾を模した剣を掴むと、その勢いで化け物に斬撃を浴びせる律。 怯んだ化け物にたたみかける様に斬りつけていく律と澪。 澪「律! 今だ!」 律「任せとけ!」 『ファイナルベント』 律は龍を模した紋章が輝くカードを装填し、その場に構える。 律「とおりゃああああ!」 律がジャンプすると、タイミングよく龍が炎を吹き出す。その炎に包まれ、律は化け物にキックを浴びせる! キックを喰らった化け物は爆発四散し、エネルギーの塊のような光となって飛び去ろうとする。その光を、龍がバクリと飲み込む。 鏡から出て来た律達。無事に生徒を助けられて、一息つく。 澪「ふう……ありがとう、律」 律「へへっ。当然の事だろ?」 生徒を保健室に運んだ後、音楽室に向かう2人。そこには、いつものメンバーが2人を待ちわびていた。 唯「りっちゃん、澪ちゃん! すっごく待ったんだよ~!」 103 : ◆PzD3ftv2xo :2010/01/16(土) 18 19 02.66 ID .RRCu.AO 梓「律先輩はともかく、澪先輩が遅れるなんて珍しいですね?」 澪「ああ、ちょっとな」 律「澪のやつ、無理なダイエットしたみたいでさ~。なんかフラフラしてたから保健室に連れてったんだよ」 澪「おい律!」 律「本当の事情……言えるか?」ボソボソ 澪「うっ……」 紬「だ、大丈夫なの? 澪ちゃん」 澪「うっうん、平気。保健室で休んだら大分良くなったよ」 梓「良かったあ……ていうか、本当は律先輩が気苦労かけさせ過ぎたんじゃないんですか?」 律「な、なにおーう! そんな事あるもんか!」 澪「ああ~、案外それもあるかもな~、私が太った原因」ニヤニヤ 律「おお澪よ、お前もか!」 紬「うふふ。とりあえず、お茶にしましょう?」 唯「さんせ~」 梓「唯先輩は私と練習するんです!」 唯「あう~そんな殺生な~」 梓「真っ先に来てたのにだらけてた罰です!」 紬「まあまあまあまあまあまあ」 律達にも、再び平和な日常が戻って来たかに見えたが。それはまだ、始まりに過ぎなかった。 窓ガラスの中に、律達を見つめる男の姿があった。 104 : ◆PzD3ftv2xo :2010/01/16(土) 18 21 36.57 ID .RRCu.AO 終了
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梓「はい、一ヶ月ぶりの休みです」 澪「そんなに働いてるのか。辛くないのか?」 梓「まあ自分で選んだ道ですし、これくらいは普通だと思ってますよ」 澪「すごいな・・・」 律「今や若者に大人気のバンドだもんな。お前が出演する番組、私もいつも見てるよ」 梓「ありがとうございます」 梓「・・・」 梓「最近の私たち、どう思いますか?」 澪「どうって言われても。すごいと思うけど」 梓「どういう風に?」 澪「いい歌詞だし曲もいい。相変わらず梓のギターはうまいしな」 梓「そうですか・・・」 澪「何か納得いってない感じなのか?」 梓「売れれば売れるほど、やりたいことができないんです」 梓「弾きたい曲、歌いたい歌詞そんなものはひとつもありません。av○xが用意したものを私たちが演奏するだけ」 梓「言ってしまえば私たちが演奏する必要なんてないんですよ。売れればいいんですから」 梓は澪達には理解し難い悩みを打ち明ける。 梓「私たちはロボットと同じです」 澪「そんなこと・・・」 梓「なんだったら本当にロボットに歌わせればいいんです。どうせ売れるんだから」 澪「そんなこと言うなよ。梓のおかげで給料をもらってる人だっているんだ。事務所の人たちとか」 梓「その人たちのおかげで自由を奪われるんですから皮肉ですよね」 澪「梓・・・」 梓はメジャーデビューしてからというもの、荒んだ考えを持つようになった。 それまで黙って梓の言葉を聞いていた律がゆっくりと口を開いた。 律「実るほど頭を垂れる稲穂かな」 突然わけのわからないことを言い出した律に、澪と梓は呆気に取られる。 律「お前が毎日毎日、うまい飯を食べられる理由をもう一度よく考えてみることだな」 梓「え・・・?」 律「お前が暖かいスタジオでぬくぬくと練習してる間にエイベ・・・なんとかの人たちは汗水たらしてお前らのバンドを売り込んでるんだ」 律「梓は知らないかもしれないけど、全国のCDショップではわざわざお前のためにコーナーを作ってくれてるんだ」 律「CDが売れるように、違法にダウンロードされないようコピーガードを改良してる技術者もいるだろうさ。あまり効果は上がってないみたいだが」 律「お前のCDを一枚売るために、一体何万人の人間が寝ないで働いてるんだろうな」 律が話終えると、屋台は静寂に包まれた。 静寂を打ち破るように、梓が立ち上がる。 梓「ご馳走様でした」 澪「お、おい!今日は休みなんだろ!もっとゆっくりしてけよ!」 梓「いいえ、帰ります」 澪「律も言いすぎだぞ!梓に謝れ!」 梓「謝らなくていいです」 澪「え?」 梓「今から営業行ってきます」 律「そうか」 梓は深々と頭を下げた。 梓「律先輩、ありがとうございました」 律「いいから早く行け。もう6時だぞ」 梓「はい!澪先輩もありがとうございます!ではまた!」 律の言葉で梓が心を入れ替えたのかどうかは定かではないが、 次に出したCDの売り上げが200万枚を超えた。 梓にとって初のミリオンどころかダブルミリオンである。 澪は相も変わらず、屋台に通っていた。 今日はやけに賑やかな声が響いている。 澪「よっ、今日も来たぞ」 唯「あー!澪ちゃん!」 澪「唯!さっきから騒がしかったのはお前だったのか!」 唯「ぶーそんな言い方ひどいよー」 澪「相変わらずだなあ唯は」 律「少しは落ち着きを持ってもらいたいものだ」 唯「えへへ」 澪「唯は今何してるんだ?確かFラン大を卒業したんだよな」 唯「ふふふ、澪ちゃん。わたくし平沢唯はなんと来年から国家公務員なのです!」 澪「嘘だろ?」 律「マジだよ」 唯「はっはっは、今はフリーターだけど来年からは国のために働くんだよ」 律「調子のいい奴め。半年前は死にそうな顔してここに来たくせに」 唯「あれは勉強が大変だったからだよー!」 澪「国家2種か?まさか、1種・・・?」 唯「ふふふ、自衛官幹部候補生だよ澪ちゃん」 澪「自衛官?唯、自衛官になるの?」 唯「うん」 澪「無理だろ」 唯「無理なことないよ!愛国心、国を守りたい気持ちは誰よりも強いんだから!」 律「まあ、そう気張るなよ唯」 唯「別に気張ってないよ!」ふんすふんす 律「肩の力を抜けってんだよ」 律「大体お前みたいなぺーぺーに国を守れるとは思えないな」 唯「ひ、ひどいよりっちゃん!」 律「いいか唯。お前みたいな新人に国を守ってもらおうなんて誰も期待しちゃいないよ」 律「まずは家族を守れるようになれ」 唯「家族を?憂とか?」 律「そうだ。家族を守れるようになったら次は恋人、親友、友だち、親戚、知り合い、そうやって自分が守れる範囲を広げていくんだ」 律「それがどんどん広がっていって、ついには国を守れるようになる。まあ、これは10年やそこらでできるようなことじゃないだろうけどな」 唯「まずは家族・・・うん、わかった」 唯「ありがとうりっちゃん。今日はもう帰るね。来年のためにトレーニングしとかなきゃ!」 律「ああ、それと唯。愛国心だけは絶対に忘れるなよ」 唯「合点承知の助」 唯「それじゃあね澪ちゃん!よーし頑張るぞー!おー!」 このときの3人には知る由もなかったが、 30年後唯は一般大学卒女性自衛官として、初の陸自幕僚長となる。 今だ男尊女卑、防衛大卒支配が強い自衛隊の中では異例のことだった。 3